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類がどうやって、プレゼントを買う資金を得たのか知っている。
そういう面では叶多はかなり口が固いから漏らさないが、智也も伊達に生徒会長をやっいた訳ではない。そういった情報はすぐに入るようにしてあった。
(辞めさせたかったけど……)
どうやら類は、出来の悪い同級生や下級生相手に、家庭教師まがいの事をしていたらしい。校内でアルバイトなんてバレたら即、謹慎物だし、悪い虫でも付いたらと思うと、柄でもないけど気が気じゃなかった。
「怖い? 震えてる」
ベッドルームへ脚を進めると、察した彼が震えだすから、あやすように額へチュッとキスをする。
「違います。怖くない……です。でも、体が勝手に……」
キングサイズのベッドへ横たえ、上からまっすぐ見下ろすと……酷く緊張しているらしく、震えは更に大きくなった。
「ん、分かってる」
囁くように告げてから、触れるだけのバードキスを何度も何度も繰り返し、それから頬を掌で包み、徐々に深く塞いでいく。
こんなに忍耐力があるとは、自分自身でも驚きだった。
「あっ……ふ、うぅ…ん」
歯列をゆっくり舌でなぞり、指で耳朶 を刺激する。
そんな、もどかしい行為を智也が丹念に繰り返していると、噛み締めていた歯が開いて、甘さを含んだ声が上がった。
「ぅ……ん」
口腔へ舌を挿し入れながら、片方の手を裾から忍ばせ直に胸へと触れてみれば、すで乳首は芯を持って健気に勃ちあがっている。
「んっ……ふぅっ」
指の腹で転がすように小さな突起を弄び、爪を使って軽く弾くと、気持ち悦いと答えるように鼻からあえかな吐息が漏れた。
「怖くない?」
唇を離し囁くと、赤い顔をして何度も頷く。
問題はこの先なのだが、とりあえず、流れに任せて徐々に掌を下へ移動させ、臍の窪みへと指を差し込むと、慌てたように類が動いた。
「あっ……あのっ」
「うん、言いたいことは分かってる。けど、今日はダメ」
類の細い手首を掴み、それをシーツに縫いつける。
これまで無理強いはしてこなかったが、今日は顔を見たかったから「見せて」と囁き笑みを浮かべた。
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