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組み敷いた類は肌を赤く染め、浅い息を繰り返し、瞼をきつく閉じている。
きっと、下肢を含めた自分の全てが見えてしまう体勢が、恥ずかしくてたまらないのだろう。
「目、開けて。俺を見て」
「ふぅっ……くぅっ」
瞼にキスを落として告げるが、それには応えず首を振る。そんな姿も愛おしくて、智也はこのまま滅茶苦茶に中を味わいたいと思うけど……すんでの所で自身を制し、紅く色づいた目尻を舐めた。
「まだ、全部入ってないよ」
「っ?」
事実をそのまま伝えれば、流石に驚いたのか瞼を薄く開いてこちらを見る。
「ここ、繋がってるだろ。ちゃんと見てて……類のココが、俺を全部受け入れるところ」
体を起こして接合部分へゆっくりと指を這わせて告げ、乾いた唇を舌で舐めると、類が唾を飲む音がした。
これまでは、類の体を気遣って、自身の全てをその体内へと納めた事は無かったが、彼の顔を見ながらでは……そんな余裕などまるでない。
「もう限界みたい。ごめんね、類……あいしてる」
陳腐と思われかねないが、これしか言葉が浮かばない。使い古された愛の囁きに、ありったけの想いを込め、否とは絶対言わない類の最奥へと己を進めた。
「ひっ……あ゛、あぅっ!」
「ホント……狡くてごめん」
許容範囲を超えた質量にガクガク震える類に告げ、狭い肉壁を味わいながら、萎えてしまった彼のペニスを掌でそっと包み込む。
長い時間、類が智也に恋慕の情を抱いていた事も、叶わないと諦めていたのも知っている。
恋人同士になれた今でさえ、自分からは連絡も出来ず、自信を持てずにいつ終わるかと不安を抱いていることも。だから、彼は自分に否と言えない。そんな思いを知った上で、無理強いしている自覚はある。
「あっ……あぁっ……!」
だけど、止められない。この気持ちを伝える術が他にない。自分で自分を制御できない。
「う゛ぅっ……あうぅっ!」
彼のアナルが馴染むまで待てず、律動を始めると、苦しそうな悲鳴が上がるが、それすら耳に心地良かった。
衝動的に体を折り曲げ、肩や鎖骨、胸の辺りへと咬み痕を残していく。
軽く歯を立て吸いつくたびに彼の体内が伸縮するから、このままでは長く保たないと智也は内心思いながらも、貪る事は止められなかった。
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