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「好きです。ずっと、好きでした。だから、夢みたいで……」
「夢じゃないだろ」
端正な顔が近づいてきて、唇にキスが落とされた。
彼の甘い言動に、体の熱がどんどん高まり、ぐずぐずに溶けてしまいそうだ。
「私は……智也さんになら、何されても嬉しいです。だから、無理矢理とか、思わないでください。全部、私の意志です」
行為中は受け止めるだけで精一杯だったから、彼の独白に答える余裕も全く持てていなかったが、これだけは伝えたいとずっと類は思っていた。
だから、淀みなくそう言い切れば、「ありがとう」と、はにかむように答えた智也が、向かい合わせになるように、類の体を反転させる。
「ところで、あの雑誌、なんで類が持ってるの?」
「え? あ……なんで?」
「昨日、チラッと見えた。きっとまた、おかしな事考えてたろ?」
「おかしな事は……たぶん、考えてません。でも、学園のみんなが騒いでるのを見て、なぜか胸が……痛くなりました」
「嫌だった?」
「いえ、違います。凄くカッコいいと思ったから、譲って貰ったんです。でも、智也さん、言ってくれなかったから、だから聞けなくて……」
告げた途端、智也が眉根を寄せたのが分かり、類は言葉を重ねるが……今度は強く胸に抱き締められ息が上手く出来なくなる。
「年上なんだから、呼び捨てでいいって言ったろ。不安にさせてごめん。俺にも照れがあったし、知らなきゃ知らないでいいと思ってた。でも、こんな顔させるくらいなら、ちゃんと言えば良かった」
「……っ?」
一体自分がどんな表情をしているか分からず戸惑うが、そんな思考を邪魔するように、智也の膝が脚を割り開きペニスを緩くなぶり始め……咄嗟に体を引こうとしたが、腰を強く抱かれ阻止された。
「愛してる」
「あっ……」
艶を帯びた低い声音が腰に直接響いてくる。
昨晩散々囁かれ、その都度精液を注ぎ込まれて、愉悦に溺れ続けた体は疲弊しきっていたけれど、これまでとは比べものにならない充足感に満ちていた。
「んっ……うぅっ」
高まる熱に意識せずとも腰が揺れ、息を継ごうと顔を上げれば、顎を取られてキスされる。
口腔へと侵入してきた舌が歯列を割り開き、類の舌先を甘噛みしてからチュッと音を立て吸い付いてきた。
「……んぅ。とも……や」
合間で名前を呼ぶ声も、まるで続きを強請るような媚を纏ったものとなる。
「いいよ。類が欲しいだけあげる。だから……類も俺が満足するまで付き合って」
それに答える智也の言葉は、聞きようによってはかなり物騒なものだったが、熱に浮かされたように頷いた類の唇は、再度智也のそれによって深く激しく塞がれた。
「ふっ……うぅっ」
応えるように智也の背中へと腕を回し、爪を立てて抱き締めた類は、自分に起こった小さな変化にまだ全く気づいていない。
左手の薬指。
控えめに、白金の光を放つ恋人からの贈り物に――。
end
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悠哉×叶多のお話です
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