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「オレまだ友達いなくてさ。堰が1番目な!」 桐嶋が人当たりの良い笑顔を向けてくれる。明るい茶色の髪が似合う明るい奴。俺が初めての友達なんて意外に思ったけれど、昨日ぎりぎりに寮に着いてそのまま寝てしまったらしい。朝もぎりぎりで同室者にまだ会ってもいないとか。よく式に間に合ったな。 「はい注目。そろそろホームルーム始めるぞ」 教卓から声がかかって視線が集まる。そこに立つのはもちろん担任の先生。黒い生え際が目立つ茶髪の前と横をまとめて後ろで結んで、顎にはヒゲ。はっきりした濃い顔だ。 教室が静かになるのを待って、先生が満足げに頷いた。 「改めて、これからお前たちの担任として世話することになる金剛(こんごう)だ。1年間よろしくな」 「世話するって普通自分で言う?」 「ん、今言った奴は世話していらんと」 「お世話になりまーす!」 桐嶋と金剛先生のやり取りに笑いが起こった。 「よろしい。じゃあざっくりこれからのことを説明する。まず今日は1人ずつ自己紹介と、その後各寮で生活説明。明日は健康診断と校内説明、委員や係決め、部活紹介。明後日はオリエンテーションな。すぐテストもあるからそのつもりで」 配られたプリントに目を通す。しばらくは学園に馴染むことを重視した活動になるようだ。 オリエンテーションって何をするんだろう。

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