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注意事項は3つ。 範囲は学園の敷地内、ただし寮の各部屋、学園長室、職員室、保健室、あと火器のある家庭科室などは使用禁止であること。自転車は使用不可であること。必ず名札を見える位置に付けること。 「学園の構造を理解することと互いに顔を覚えることが目的だから、できるだけ動き回って色んなやつと挨拶してこい」 先生が説明を終えた直後、開始の放送が流れた。 「制限時間は昼飯まで。あと勝利チームには賞品があるぞ。次の放送で警察側が動くから、それまで遠くへ逃げろ。じゃあ、解散!」 賞品に期待の声を上げながら皆一斉に席を立って教室を出て行く。このまま敢えて残るか、禁止されていない特別教室に隠れるのも良いかもしれない。ぼーっとクラスメイトたちを見送っていると、初めてこの席に座った時のように右腕を引かれた。桐嶋だ。 「なにしてんの?早く行こうぜ!」 「あ、うん」 ぐいぐい引っ張られて促されたので、まあ良いか、と立ち上がった。 「どこ逃げる?」 「とりあえず校舎から出よう」 考えていたことと真逆だなあ。自分で思っているよりも積極性が足りないというか、行動的ではないのかもしれない。 「分かった」 頷くと、俺の腕を掴んだまま桐嶋は走り出した。背後で「転ぶなよ」と金剛先生の声がした。

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