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下駄箱で靴を履き替え校舎を出たところで、警察チーム行動開始の放送が入った。上級生になるほど教室は下の階になる。つまりここまでの到達が速い。 「すぐ来るぞ!堰、こっち!」 すでに下駄箱付近に走って来る影がいくつか見える。まだこの辺りにも1年生がちらほら残っているから、ここで捕まる仲間が出てくるかもしれない。 そんな中で迷いなく一直線に走って行く桐嶋は宛でもあるのだろうか。今門を抜けて、目の前には見事な桜並木。直線は足の速い桐嶋はともかく、俺が格好の的になりそう。 「大丈夫大丈夫、二人三脚の練習と思って走ろー」 「二人三脚しないよ?」 ちょっと残念そうな顔された。 桐嶋が握っていた俺の腕を解放する。と、今度は背が押される。追い風を受けているみたい。とにかく立ち止まらずに走ろう。 「結構人が多いから時間稼げそうだな」 「というか多すぎない?」 ダンゴ状態というのか、寮の門があまり広くないためにそこでつっかえているみたいだ。警察側が追いついてくるまでに前の方に行けたら逃げ切れるかもしれないけれど……。 「よし、堰、ちょっと本気出そうぜ」 「えっ俺もう本気……!」 ぐっと背中の手に力が入って速度が増し、同級生たちを追い抜いて行く。門が近づくにつれ、後ろの方が騒がしくなってきた。

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