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公園を散策しながら改めてルールについて考えてみる。 まずは範囲。志常の敷地内とは具体的にはどの程度なのか。門から駐輪場、寮、校舎……寮の裏のこの公園、校舎の裏のグラウンド、他になにかあったような、なかったような。学園の手引きをもう少ししっかり読み込んでおけば良かった。たぶんだけれど、1年生はこちらの寮方面と校舎方面とで半々ぐらいには分かれているんじゃないだろうか。並木道の混雑状況を見る限りそんな気がする。 次に役職持ちの先輩と先生の立ち位置。金剛先生が言うには確か、彼らは「味方」らしい。この表現が少し引っかかっていて、「仲間」ではないことに意味があるんじゃないかと。手助けはしてくれるけど、逃亡者ではないので人数には入らないのではないか。だとするとどこまでできるのか、捕まった泥棒を助けることはできない可能性が高い。 そして牢屋の場所。決まっていないのか、単に言い忘れなのか、先生は明言しなかった。例えばグラウンドの中央など開けた所なら助けが入りやすいし、特定の教室ならその逆で、しかも後者は脱走できても再捕縛されやすくなる。 あとは賞品。シンプルに、なんだろう?みんなただの遊びにしてはモチベーションが高い気がする。功労者ではなくチームに贈呈ということだから、対象者が多くなるけど……。 「んん?」 そこで、アスレチック遊具で遊んでいた桐嶋が飛んできて俺の口を塞いだ。片方の手で「しー!」と合図をされる。複数の足音が聞こえたので頷いてじりじりと物陰に隠れる。 結構奥まで来ていたけど、さすがに他の人も逃げてきたかな。警察を連れて。

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