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今更だけど、学年を見分けるにはジャケットの袖か、ネクタイのラインを見れば良い。毎年変わるそれは今年の3年が青、2年が緑、1年が赤色。つまり苗字しか教えてくれなかった根津先輩が2年生だということが分かる。 「じゃあ、先輩、連れてってください」 自己紹介も済んだので、軽く握った両手を揃えて甲を下にして差し出した。先輩が意味が分からないという表情で見てくる。 「は?」 「捕まったので、牢屋に」 実際に手錠を持っていないことは分かっているけれど、なんとなくのイメージだ。 「いやお前……髪掴まれたあれか?どう考えてもノーカンだろ」 「そうですよ、僕だけ連れて行ってください」 葉桜がすっと腕を差し出す。良かった、もう随分落ち着いたみたい。 「大丈夫ですよ。後で桐嶋が助け出してくれるので」 「え?あ、おう!任せとけ!」 桐嶋も頷いてくれたのでどうぞ、と改めて腕を出すも先輩は渋い顔。敵チームの数が減るのだから良いことだと思うんだけどな。 「あー……、じゃあお前ら手握っとけ」 入口の辺りが騒がしくなってきた。ちらりとそちらに目線を向けてから、根津先輩がしぶしぶといった様子で俺の手首を掴む。指示通り葉桜の手を握ろうとしたけれど、彼はなぜか俺と腕を組む態勢をとった。ちょっと動きづらい。 「堰ー!葉桜ー!絶対助けに行くかんなー!あ、やべ」 大声を出すから別の先輩が来てしまった。桐嶋なら逃げ切れるだろう。助けを期待しつつ、根津先輩に連れられて牢屋に向かった。

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