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「どうやら外泊権は前日提出で許されるらしいですよ。それも保護者確認無しで」 「それはすごい」 使うかどうかは別として、持ってて損は無い物だ。ただ普段徹底しているだけに管理が大変そうだけれど、葉桜の話し方だと過去使われたことがある賞品のようだし、支障は無いってことかな。 「それなー、ただし5人以上のグループでってルール付き」 たまたま前を通った上級生がそう教えてくれた。 固まって取れば対応の頻度は減り、万が一何かあった時の対処は一度で済む。それに生徒間の交流のためという名目だとしたら、今回のイベントの趣旨にも合う。 「ここだけの話、行きと帰りだけ待ち合わせて他は自由にすりゃ良いしな。ってわけで、悪いが俺らが勝つぞ1年」 「あ、それは困りますね」 「困ります」 先輩は笑いながら「頑張りたまえ」とおどけて通り過ぎて行った。名札は見えなかった。 「面白い人だったね」 「そうですね。宣戦布告されちゃいました」 勝ちましょうね!と葉桜が控え目のガッツポーズをしたのでつられたところで、あからさまに馬鹿にしたような笑い声が耳についた。 「おい、オカマとネクラのお遊戯かよ。キモい。一生捕まっててくれ」 せっかく和んでいたのに。聞き流すには大きい声が俺たちを指差して嘲っている。1年生が3人、退屈しのぎにしては趣味が悪いな。また表情が曇ってしまった葉桜を見て、静かに立ち上がった。

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