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痛い。背中と頭を打ってしまった。葉桜に気をつけてと言われたところなのに。あとものすごく間抜けな感じに眼鏡がずれた。 「一応聞きますが、平和的には」 「いかねーな」 そうですよね。その気があれば近づいたりせずあの場で話していたはずだ。わざわざ倒して両手を封じるということは……殴られるのか。短時間で目立つ傷なんて作ればすぐ問題になりそうなものだから、多少の加減はしてもらえるとは思いたい。 「お前さ、何しれっと受け入れてんの?さっきも今も。ムカつくんだよな」 全然、そんなことはない。痛いのは嫌だし普通に怖い。でもこういう時は黙っていた方が早く終わると知っている。止めろと言ったらなぜか相手は喜ぶから。 ぐっと歯を食いしばった俺を見て、先輩が不愉快そうに眉間にしわを寄せた。 「殴られて済むならってか。自分は手出されないと思ってるな?」 「……え?」 「当たりか。へー、なるほど」 嫌な納得をされた気がする。悪い方向に行っている。まずい。 「何するつもりですか」 「は?ごーかん」 当たり前のように答えてシャツの裾を引っ張り出された。べたべたと腹を触られる。嘘だろ。 「見かけによらずそこそこ鍛えてんな」 「犯罪ですよ」 「急に喋ってんの。ウケる」 ダメだ何を言っても無駄だ。逃げ出そうにも太ももに跨られているうえ、手を拘束されている。先輩との体格差があり過ぎる。腕を押さえつけている同級生の方に目で助けを求めてみるけれど、笑みが濃くなるだけ。

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