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遮って証言したら何を言っているんだという空気を感じるけれど、構わずついでにボタンが飛んだシャツをはだけて証拠も見せる。歯型が残っているし、もしかしたら腹に痣ぐらいできているかもしれない。 「ね」 「ねっておい……」 「いや、それはちょっと無理がある……」 無理もなにも事実なので、とベルトとチャックを戻しながら食い下がる。たぶん勘違いされているけれど、別に無道先輩のことをかばっているわけではない。性的暴行だと支障があると思っただけだ。 今回たまたまいき過ぎたというのなら俺が気をつければ良いが、そうでないようだから葉桜や他の人に被害がいかないようきちんと反省してもらう。 「なんなら診断書取っても良いので、暴力事件ってことで停学処分ぐらいしていただけると安心なんですが」 「は?おい」 これはぽかんとしていた無道先輩が焦って出した言葉。本人も許されると勘違いしたのか。文句があるなら被害届を出しても良いとさえ思っているけど、ややこしくしたくはないのでここで口をつぐむ。 「……なるほど、あくまで暴力のみでいくと。君は中々肝が座っているね。名前は?」 「堰です」 よろしくお願いします、と頭を下げた。このよろしくには無道先輩の件も含まれている。生徒会長が全て分かったというように深く頷いた。 「後のことは全て引き受けた。君は保健室に行くと良い。無道、今までのツケを回収させてもらおう。本来停学程度じゃ済まない、彼に感謝することだな」

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