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結局適当に歩き回ることにした俺たちはまだ校舎内に居た。今は特別教室がある4階。窓から外を見るとグラウンドには疎らに人が見える。 もう大半が捕まってしまったのだろうか、それとも寮の方へ行っているのか。今から寮へ向かうのは途中で捕まるリスクの方が高い。 捕まった人たちを牢屋から解放するには味方の協力が必要だろうし。 「健助、奥の教室行って良い?牢屋の様子が見たい」 「ああ」 「PC教室」とプレートに書かれた奥の教室、あそこの窓からなら体育館周辺が俯瞰できそうだ。PCは恐らくパソコン、火器は無いけど精密機械が置かれている部屋なので閉まっているかとも思ったけれど、幸い鍵は開いていた。 中に入るとカーテンが締め切られていて暗い。全く見えないというほどではないので、窓に近づいてカーテンを潜り外を確認する。 「どうだ?」 「思ったより人が居る」 明らかに俺が捕まっていた時に比べて見張りが多い。というより、休憩しているだけのようにも見えるなあ。ほとんど捕まえてしまって余裕があるということだろうか。だとすれば助けに行った方が良いけれど……。 「侑哉、足音が聞こえる」 くん、と手を引かれてカーテンから抜ける。静電気で髪がぼさぼさになった。耳を澄ますと複数の足跡と話し声が確かにこちらに向かって来ている。隠れる方が賢明かな。考えている間に健助が屈んで近くの机の下に潜り込み、中から俺を呼んだ。 「こっちへ」 一瞬狭さに躊躇ったけど、長机なので十分2人入れそうだと判断して呼ばれるままに潜った。

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