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約3時間、この間に1人として先生を見かけなかったのは確かに不思議だと思った。その上でも機能しなかった、という表現は結構厳しい評価だと感じる。 「動いていなかったということですか?」 少し突っ込んでみると、会長は言い淀んだ。その表情は怒りではなく失望。 「……体力的に、な」 「ああ……」 なんとも言えない気持ちになってしまった。若い先生でも20代後半、あと10年もすれば分かってしまうのだろうかと未来に思いを馳せる。あんまり想像つかないなあ。 「ただそれだけではなく、細かい問題が頻発して手が回らなかったという事もある。何にせよ、その辺りも今後改善すると約束する」 改めて済まなかった、と頭を下げられて、こちらこそと慌てて下げ返す。 「こんなに早く対応していただきありがとうございます」 怒鳴られる覚悟だったが礼を返されるとは思わなかった、と言われたので、奈良公園の鹿のようなものです、と答えたら少しウケた。立場や振る舞いを見て気難しい人かと思っていたけれど、存外気さくな人なのかもしれない。 「それだけ報告しておきたかった。もう道は空いているだろうから、食堂へ行って昼食を取って来ると良い」 「はい、では失礼します」 と言って離れたは良いものの、腹を殴られたこともあってか食欲が湧かずに寮へ戻ることにした。 ほとんどの人が食堂に居るはずなので、寮内はしんと静まり返り、自分のスリッパの音だけが響いている。

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