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申し訳なさがこみ上げてくる俺と反対に、納得の言葉を繰り返す太朗くん。そうか、なるほど、だからか。怒った様子はなく、むしろほっとしたような雰囲気。
「ごめんなさい」
「いーや、それで良いんだよ。俺のこと思い出してくれてあんがとな」
小さい頃のように、わしゃわしゃとまた頭を撫でられる。大きく包まれるようだった手のひらの感覚や目線が昔と違って、時間の流れを感じた。見上げる立場なのは変わらないけれど、昔ほどは角度をつけなくても目を合わせられる。その目が、懐かしむように少し細められた。
「背伸びたな」
「太朗くんはすっかり大人だね」
だろ、と頷いて両肩に手が置かれる。びっくりした。
「あと2年もしたら社会人だから、そうしたらゆうのこと養えるよ」
「うん。……うん?」
聞き流すところだった。養えるって、突拍子がないなあ、冗談だろうか。太朗くんはすごくにこにこしているから、つられて笑う。
「突然どうしたの?変な太朗くん」
「突然じゃないんだけどな。今度こそ……」
ぎーっ、と扉が開く音がして、太朗くんの言葉は遮られた。音の先に目をやると、蕗口と健助が立っている。困惑している。
「え、なに、その状況」
「侑哉。助けが必要か?」
肩に手を置かれているだけなのだけど、はたから見れば確かに緊迫しているように受け取れると、慌てて首を横に振った。
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