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はっ、と目を開いて時計を見る。針が指す時間は集合予定の15分前。結局いつの間にか俺も眠ってしまっていた。 2人を起こそうと、乾いた右目を瞬かせながら身じろぎして違和感に気づく。なんだかあちこち痺れている。左肩から腕は蕗口の重みなのは分かるし、右足はどうやら健助が寄りかかってきたらしい。ただ、右腕は……? 「桐嶋だ……」 いつの間にか、桐嶋が重力に負けた俺の右腕を巻き込む形でソファの側面に身を預けていた。帰ってきたのも右腕が下敷きになったのにも全然気づかなかった。 「……もう時間?」 左側から掠れた声がする。頭を動かした振動で蕗口が目を覚ましたらしく、肩が軽くなった。 「うん、おはよう」 「ん……」 すっと目を覚ました割に寝起きがあまり良くないのか、瞼が開ききっていない蕗口。寝癖まで付けている。抜けた一面に親近感が湧いて、寝癖を直してあげようと手を伸ばした。ら、それを掴まれる。引き寄せられ、近づく蕗口の顔。 「おい」 触れる前に低いひと言が遮った。鳥肌が立つような怒気を含んだ声に驚いてしまった。それはいつも安心感をくれる、健助の声なのに。 「ごめん、寝ぼけた」 そのまま固まっていると、蕗口が口に手を当てて離れる。ほぼ同時に桐嶋が「殺気!」と叫んで飛び起きてきたので少し和んだ。ああ、びっくりした。 「おはよ桐嶋。なんの夢見てたの?」 「はよー……?あれ?俺いつの間に寝たんだ?堰呼びに来たのにな」 仲良く昼寝してるからつられたかな、と桐嶋ははにかんだ。

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