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「なんだ、トラブルか?」
太朗くんが離れてすぐかけられた、斜め後ろからの金剛先生の声に驚いて振り返る。目が合った先生も俺の眼帯に驚いた。
「おいおい、どうしたそれ」
「アスレチックで砂が入ったみたいで」
本当か?と一瞬眉を寄せてから、先生は太朗くんが去った方向に目線をやった。
「あー、だからここのスタッフと話してたのか」
「はい」
察しが良い。ついでに伝えておいた方が良いだろうと、就寝前に眼帯を取り替えてもらいに行くことになっている、と報告。
「自由時間中なら構わんが、あんまり一人でふらふらするなよ。周りを頼れ」
キャンプの前に言われた言葉を念押しされたけれど、今回は行く先が頼れる人の所だ。自信を持って頷くと先生は少し笑った。よしよし、と肩を軽く叩かれる。これはもしかして先生の癖かな。
「なんかあったら遠慮なく職員用のコテージに来なさい」
「ありがとうございます」
お辞儀をすると、金剛先生は他の先生に呼ばれて離れて行った。俺もメンバーの所へ戻る。
その後はバーベキューエリアから広場へ移動して、簡単なクイズゲームをした。アスレチックのタイム発表もあり、上位チームからお菓子やジュースを選べたので意外に盛り上がった。俺たちのグループは4位。桐嶋は悔しがっていたけれど、大健闘だと思う。
「風呂は大浴場か各コテージで入り、22時までに就寝すること。見廻りするからな。では解散!」
やがて先生の解散の合図とともにぞろぞろと各コテージへ帰って行く。お風呂、みんな大浴場へ行ってくれたら助かるなあ。
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