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「よっしゃ、風呂行こうぜ」
コテージに帰るなり、誰からともなく大浴場へ行く準備を始めた。アスレチックだったりコンロの火で汗もかいたし、みんな早くさっぱりしたいらしい。それは俺もだけれど、声をかけてくれた桐嶋には首を振って答えた。
「みんなで行ってきて。俺はここで入るから」
「そうか?分かった、行ってくるな」
特に疑問もなく引いてくれる桐嶋。こういうところすごくありがたい。
「……さて」
いつの間にか居なくなった健助以外のみんなが大浴場の方へ向かうのを見送って、自分の荷物から着替えや洗面用具を引っ張り出した。誰かが帰って来るまでにシャワーを済ませておかないと。
さっと服を脱いで入り込んだシャワールームはいたって普通だ。大きくはないけれど浴槽もある。ユニットバスじゃないのはホテルや旅館より良かったかもしれないな、と感謝しながら蛇口を捻った。そのまま頭からぬるめのお湯を被り視界に落ちる髪をかきあげた時に、シャンプー類が無いことに気づく。かさばらない試供品を選んだから、落としたの気づかなかったのかも。……誰も居ないし、取りに行くか。気を抜いてドアを開けたらそこに桐嶋が立っていた。
「うわ!タイミング良すぎ……?……せき……?」
「うん……?」
なんの確認?つられて疑問形で返しちゃった。念のために眼帯もコンタクトもしたままだから、びっくりしたけど問題はないはず。なのになぜか俺より慌てた桐嶋は、首が鳴るほど思い切り目をそらした。
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