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「ご、ごめん!!!!!」
「なにが……?」
真正面から100度以上顔を背けた状態で、喋るのも大変そうなのにすごいボリュームの声で謝罪された。本当に、なにに対してのごめんなんだろう。むしろ俺が謝った方が良いんじゃないか?
「え!いや、なにって……なんだろ……風呂覗いて…………?」
「ドアを開けたのは俺だし、男同士で謝る必要ないと思うけど……あ、見苦しかったかな、ごめん」
「全然!!うん、そうだな、男同士だよな、なに焦ってんだろオレ」
自分でもよく分からないらしく、桐嶋は傾けた首を更にひねった。心配だからそれ以上無理な方向へやらないでほしい。
「大浴場行ってきたの?」
「ああ、うん、タオル忘れて戻ってきた!そしたらこれが落ちてたから、堰のかと思ってさ」
そう答えた桐嶋の手にはタオルと、俺が落としただろうシャンプーとリンスがセットになった試供品が握られている。
「あ、やっぱり落としてたんだ。ありがとう」
受け取ってお礼を言っても桐嶋の首は明後日の方向のままだったので、不安になって手を伸ばした。
「首大丈夫か?」
「うわっ!」
触れた瞬間弾かれたように身を引いた桐嶋がバスマットで足を滑らせた。このままだと頭を打つ!と反射的に彼の腕を掴んで引き戻したけれど、逆に俺の方へ倒れこんできてしまって、受け止めきれずバスルームへと一緒に雪崩れた。
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