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「寝足りないか?このまま休むか?」
リラックスし過ぎてまぶたが半分落ちて、頭を撫でられる優しい動きにさえ抗えなくゆらゆらしてしまい、気遣われた。このまま休むっていうのは、今日まるまる1日を指しているのだと思う。それはさすがに寂しいなあ。
「いや、大丈夫。撫でられるの気持ち良くてうとうとしちゃった。散歩がてらそろそろ戻ろうか」
みんなが起きる前にコンタクトも入れてしまいたい。服も着替えないとな。立ち上がって、体を起こそうと伸びをする。つられるようにお腹がぐーっと鳴いたことで、昨日自販機に寄り損ねたことに気づいた。お腹をさすると健助が笑って、教えてくれる。
「朝飯、ホットドッグらしい」
「アルミホイル巻くやつ?」
「たぶん」
昔何かの時にやってみたけれど、あれって結構火加減とかタイミング難しいんだよな。アルミホイルの中身が黒こげで、落胆した記憶がある。串に刺して炙る方が目に見える分簡単な気がする。
「お前は本当にかわいいな」
「え?」
ふと、おおよそ言わなそうな言葉が飛び込んできて、聞き間違いかと思って健助を見た。不自然なほど「むっ」と唇を噛んでいて、おかしくなって声を出して笑ってしまった。どこにそう思ったのか分からないけど、きっとまた弟さんとかぶるところがあったんだろう。
「かわいいは反抗されると思うよお兄ちゃん」
「……言ってない」
「あはは、無理があるなあ」
今言ったら怒るだろうけど健助のむっとした口の方がかわいかったのと、しらを切るのが面白くてツボに入ったのかしばらく笑いが止まらなかった。
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