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 その日の夕ご飯はキャンプらしいバーベキュー。直前まで川で遊んでいた俺たちのグループはみんなずぶ濡れだったので、バーベキューの火で暖まりつつお腹を満たしていた。くるぶしが浸かる程度の浅い川でなぜか全身濡れるんだから、どれだけはしゃいだか想像できると思う。特に桐嶋と西岡は頭のてっぺんから足の先まで水が滴って中々乾かないぐらい。 「冷えた体に肉がしみるぜー!」 「肉うめー!」  2人とも風邪引かないと良いけれど。肉と同じだけとは言わないから野菜も食べてほしい。ねぎとかにんじんとか、風邪予防に良さそうだし。 「野菜も食べようよ」  しばらく見ていたけどどうも箸が伸びないようなので、輪切りのにんじんを一つ摘んで桐嶋に差し出してみた。嫌そうにしばらく眺めてからぱくりとかじり取る。お皿出してくれたら置いたんだけれど、まあ良いか。美味しくない、と感想を漏らしつつちゃんと飲み込んでてえらい。そんな桐嶋に、後ろから現れた蕗口が声をかけた。 「桐嶋、野菜苦手?コーンは?」 「コーン好き!」 「どうぞ」  火の通った肉や野菜を配って回っているらしく、手にした皿から良い感じに焼き目の付いた大きめの輪切りとうもろこしやウインナーをトングで桐嶋の皿に数個置いていく。ついでのように俺の皿にも置いてくれる。 「ありがとう。蕗口も食べてる?」 「食べてるよ」  大丈夫、と笑って西岡と前川の方へ行ってしまった。

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