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 夕食、片付けを終えたら、最後の夜ということでキャンプファイヤーをする予定になっていた。専用の広場があり薪も用意されているので、安全で効率的に楽しめるのがこの施設のひとつの売りらしい。  火を囲んで輪を作り、定番の歌を何曲かみんなで歌う。グループはばらけるように、と先生から指示があったので、隣は知らない人だ。そこまで高さはないので火を挟んだ向かいの人の顔もちゃんと見える。葉桜を見つけたのでそっと手を振ってみたら、照れながら控えめに振り返してくれた。 「雰囲気出てきたところで、ゲームをしよう」  と、3組の先生が説明をしてくれたのは「ウインクキラー」というゲーム。ざっくりまとめるなら、本人しか分からないように犯人を一人決め、他の参加者がその犯人を当てるというもの。犯人と目が合いウインクされた人は5秒数えて「やられた」と声に出して座り込む。その様子などから推理して犯人を見つけることができればもちろんその犯人以外の勝ち、犯人以外最後の一人になってしまったら犯人の勝ちだ。詳しいルールはもう少し細かい。  全員目をつむった状態の中、先生が選んだ犯人の肩に手を置くところからスタートした。指示があってまぶたを開く。俺じゃない誰かが選ばれたみたい。ウインク以前にこの髪だと目が合ってるかもわからないだろうから、妥当だと思う。たぶん同じ理由で健助でもない。  犯人は誰か。ひとりひとり様子を見ていけば確実なんだろうけど、人数が多いのでそういうわけにもいかないかな。と、適当に視線を巡らせてみる間に早くも「やられた」の声が上がった。

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