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「志常学園のみなさーん。3日間お疲れ様でしたー!楽しんでもらえましたかー?」
翌朝、広場で太朗くんの明るい声を聞きながらキャンプを振り返っていた。いろいろあったけれど、グループのみんなと仲良くなれたのはもちろん、太郎くんと再会できたり蕗口と友達になったり、大きな収穫があったと言える3日間だった。同じようにそれぞれ思い出を振り返り、楽しめたか?の問いかけにうんうんとうなずく。
「今回は今日で終わりですが、家族や友達、恋人と親交を深めたくなったらまた来てくださいね!ゆっくりしたい人も大丈夫、今はソロキャンプも流行ってます!」
「お兄さんちゃっかりしてる~!」
太朗くんのしっかりめの宣伝とそれに対する誰かのツッコミで笑いが起き、和やかな空気でキャンプは終了した。
2日めのクイズラリーの上位3チームへの景品がまさかのキャンプ場の割引券で、3位に俺たちのチームが入賞していたのでまたみんなで来よう、という話になったのは余談だけれど、その時にはまた太朗くんとも会えるといいな。
「蕗口、席変わる?」
「え?ああ、大丈夫。ありがと」
バスに乗り込むなりぼんやり窓の外を眺める蕗口。頬杖をつく姿は妙に絵になっていた。行きに座席を交換したことを思い出し念のため声をかけてみたけれど、ばつが悪そうな顔を返された。ちょっと元気がないように見える。
「調子悪い?」
「いや……、なんか終わるのもったいないなーって」
かわいいこと言うなあ。大人びて見える彼の素直さが微笑ましく思えた帰路だった。
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