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「見……、守るじゃなくて?」 「はい」  呆気に取られたような先輩の顔。たぶんちょっと呆れも入ってる。遠慮などではないと慌てて付け足す。 「存在が牽制になると思うので」 「お前中々良い性格してるな」  褒められたのか更に呆れられたのか、先輩は小さく噴き出した。厳しい表情をしていることが多いから間近で見る笑顔がかわいく感じる。 「分かった。まかせろ。ただし、危ないと思ったら手を出すからな」 「はい。その時は容赦なくお願いします」  ぜひ、と強めに頷くと先輩はまた笑った。満足そうに頭を撫でられて、それだけで安心感でいっぱいになる。味方に居るとすごく頼もしい人だ。きっと大丈夫、そう思える。 「今みたいに、俺には初手で頼ってこい。遠慮されるのは好きじゃない」 「なるほど。そうします」  本心だと理解したので素直に頷いた。よし、と返されて、握っていた手の力をようやく抜く。その内の汗が乾かないうちに先輩に包まれて、慌てて引っ込めようとしたけれどだめだった。手汗すごいんだけどな。 「先輩?」 「悪かったな。緊張させて」 「あ、いや……そんなことより手汗ひどいので」 「そんなことより手汗?!」  驚かれてしまったので、すみませんと返した。手は離してもらえなかった。

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