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「舐めて綺麗にしてやろうか」  冗談じゃない、余計汚れる。なんて言えるわけもなく、強烈な眠さでぼんやりしたまま逃れようと無理に上へずり上がった。するとたまたまなのか……いやたぶんわざと、体重を乗せていた先輩の膝がずれて、重みがそのまま急所に直撃して悶絶した。 「ぅぐ……っ」  そのまま何度かぐりぐりと攻撃され、潰されませんようにとついに祈る。それでも眠気はまたすぐやってきて、感覚を鈍らせる。良いのか悪いのか、それは痛みを和らげるけれど、更なる恐怖の口実にもなってしまう。 「これでも眠いか」  笑っている。痛みと恐怖の中で、それでも眠気に負けそうな俺が馬鹿みたいに見えるんだろう。なんとか抗おうと自分の舌先を噛んで、もう一度先輩の腕を掴むと今度はしっかりと爪を立てた。 「良いぞ、そうこなきゃな。ご褒美をやろう」  怒るかと思ったけれど予想に反して喜ばせてしまったらしい。俺ごと倒れた椅子を邪魔そうに蹴り離した後、シャツの裾が捲り上げられ、さっき噛まれたそこを口に含まれる。ああ、もう、浴場の使用時間はもう終わってしまったのに。  褒美というならせめて急所の足を退けてくれ! 相変わらず圧迫されたままで涙は滲むし冷や汗も出てきた。 「離……っ!」  抗議しかけた口にまた指を突っ込まれ強制的に黙らされる。マスクがぐちゃぐちゃだ。

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