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「うっ……」
結果、シャツの襟首を後ろから掴まれ軽く首が絞まったことで、前から腕を引く蕗口の方は力を弛めざるを得なかった。新手の大岡越前かな。
すかさず先輩がシャツではなく直接俺の首に腕を回して、絞めてくる。
「侑哉を離せ!」
「ゴミクズが俺に指図するな。折りはしねーが意識飛ばすぞ?」
実際に顔に血が溜まっていくのが分かる程度には絞められていて、蕗口だけでも逃げてほしいのにそれを口にすることもできないでいる。目が霞む。
「お前はそこで見てろ」
下手に手を出せなくなってしまった蕗口が黙り込むと彼の前で、ズボンの中に手を入れられそこに触れられた。手先が痺れてきて自分で抵抗なんてできるはずもなくゆるく上下されて、苦しいし朦朧として感覚が鈍いけれど、たぶんだからこそ反応してしまっているだろう。生理反応とはいえ、みっともない。
「うぅ……」
首への圧迫が弱まっても言葉が出ず、ぼやけた視界の中で蕗口がどんな顔をしているのかさえ分からなかった。
「止めろ……」
「こいつに気があるんだろ? 見せてやるよ」
ズボンから引かれた手が肌に触れながらシャツを捲り上げていく。酸素の供給と肌が直接空気に触れる感覚と、何より羞恥心で少しだけ眠気が覚める。本当にこれは最悪だ。せっかくできた友達の前でなんてことをしてくれるんだ。
「見る、な……」
「おいおい、見てくれだろ」
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