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「ちょっと待ってどういうこと?」  すっかり落ち着いた頃、一緒に宿題をしようと約束していた蕗口が部屋にやって来た。 「それ、どう見ても侑哉のじゃないよね?」  約束の時間を遅くしてもらったのでその理由を求めているのかと思ったけれど、そうじゃなかった。あの後下着もズボンも履いたのにシャツは健助に借りたそのままだったことに、言われて気づく。洗って返さないと。 「あ、これは」  時間のことも含めて、うっかりのぼせたこと、その時に借りたことを説明すると蕗口は頭を抱えてしまった。呆れたかな。 「……もう平気なの?」 「うん」 「あのさあ、不謹慎かもだけど言って良い?」 「うん、なに?」  完全に油断した俺の自業自得だから呆れられても笑われても仕方ない。蕗口は笑いはしないと思うけれど。 「…………羨ましい」  羨ましいとは。返ってきた言葉が予想外で意味が理解できなかった。今の話のどこにそんな要素があったかな。 「俺の服も着てほしい」  そこか。全然俺も健助もそんなつもりじゃないから気づかなかった。気づいてしまったらなんだか恥ずかしいことをしている気分になったので慌てて着替える。 「ごめん、ちゃんと洗って返すから」 「別にそのままで良い」 「そんなわけには」 「俺の服も着てよ」 「恥ずかしいからやだ」  断ると蕗口はすごくがっかりした様子で肩を落とした。

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