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その後の話し合いでいくつか出た候補のうち、学校全体のバランスをみて実行委員会で選定され、俺たち1組は視聴覚室を使ってお化け屋敷をすることに決まった。当日半分ずつに分かれて脅かし役や案内役をするため大まかな割り振りをすぐに決めて、週末には衣装やセットの準備に取り掛かる。
「お化け屋敷良いじゃん、楽しそう。侑哉もお化けやるの?」
次の休み時間中健助と蕗口が話しに来てくれて、黒板に残ったままの文化祭の案を見ながら聞かれたので頷いた。
「うん」
「なんのお化け?」
「少年」
「まんまじゃん」
蕗口は楽しそうに笑って、今度は2組が何をするか当ててみてと言う。なんだろう、2人の様子を見ていると蕗口は面白いと思っていて、反対に健助は不満そうな感じ。展示ではないな。
「劇?」
「ブー」
「合唱?」
「ブー」
「……食べ物系?」
「うーん、半分当たり。正解は……」
言葉の途中で突然蕗口は左手を揃えて胸に当てながら浅く礼をした。
「お帰りなさいませ、旦那様」
あ、と思って答えるより先に、なぜか聞いていたクラスメイトたちが一斉に立ち上がってブーイングし始める。
「執事喫茶だと!」
「ずりー!」
「またお前か!」
体育祭同様に外部の人が見に来ても良いらしく、更に中学生やその家族の見学、地元の人も参加可能なのでみんな出会いに期待しているらしい。そう考えるとお化け屋敷じゃ難しいというか、むしろ他を応援する形になる気もするな。俺はその方がありがたいけれど。その点執事喫茶は強そう。
みんなチャンスが奪われると思ってるのかも。
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