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第7話 原稿の中心で愛を叫ぶ②
その日は珍しく原稿の取り立てのない日で
水森は忙しそうにデスクワークをしていた
編集長の電話が鳴り響き脇坂が電話を取った
「はい、脇坂です」
脇坂がそう言い電話に出ると相手は静かに名乗った
『飛鳥井康太だ!』
脇坂は息を詰めて、用件を口にした
「どの様なご用件ですか?」
脇坂が言うと飛鳥井康太は
『円城寺健はいるか?』と問い掛けた
「水森ですか?
はい。います」
『変わってくれねぇか?』
脇坂は受話器を押さえると
「水森、電話です!
一番で出て下さい」と内線を切り替えた
水森は受話器を取ると電話に出た
水森は電話の相手は誰だか解らなかった
作家ならば名を告げてから内線を切り替える筈なのに‥‥‥
そうしなかったと言う事は‥‥‥
もしかしたら‥‥
本来の目的の日が………来たのだと想った
その為に……記憶も力も消されずに人の世にいるのだ…
「お電話変わりました」
水森が電話に出ると
『天帝か?』と単刀直入に切り出された
まさか……そんなに簡単に真名を呼ばれるとは想ってもいなかった
「……はい。そうです」
『お前の仕事をしてくれ……』
「解っております!
何処へ逝けば宜しいですか?」
『明後日、ホテルニューグランドに来てくれ
ホテルに到着したら電話をくれ!
そしたら仲間に迎えにいかせる
電話番号は脇坂から知らせる様に言っておく』
「解りました
俺は本来の仕事を完遂致します……」
『今夜……兄者に逢ってくる……』
「………宜しくお伝え下さい」
『………天帝……明後日逢おう!』
「はい!必ずお伺い致します」
『脇坂に電話を変わってくれないか?』
水森はそう言われ脇坂に電話を渡した
脇坂は何やらメモして水森に渡した
水森はそれを受け取り、ポケットにしまった
………その時が来たのだ
この日の為だけに……
人の世に堕ちたのだ……
閻魔大魔王に呼び付けられ、秘密裏に言い付けられた特命だった
閻魔は天帝を呼びつけると
「天帝……頼みがある」と苦しそうに‥‥謂った
苦しそうな閻魔の顔など見た事は一度もなかった
「………聞いてくれぬか?天帝……」
閻魔のお願いならば、部下なれば聞いて当然だった
こっちの意思など関係なく命令すれば良いのだ
なのに閻魔はそうしなかった
天帝は覚悟を込めた瞳を閻魔に向けて
「それは私しか出来ぬ仕事なのですか?」
と問い正した
閻魔は‥‥お前しか頼めぬ‥‥と謂った
「そうだ……人の再生が出来るお主しか出来ぬ頼みだ……」
「……用件をお伺い致します」
「お前はこれより………人の世に堕ちて……
女神の力を抹消して貰いたい……」
閻魔の言葉に天帝は驚きを隠せなかった
「…………え……女神は記憶も力も抹消されて人の世に堕ちたのではないのですか?」
「………女神の記憶も力も残っておる……
女神の前に炎帝が現れる時……
女神の力を剥奪すると約束した……
今世……炎帝は女神と逢うだろう……
過酷な運命が……炎帝と女神を出逢わせると崑崙山の八仙が予言した
だから……逝ってくれぬか?」
閻魔は……静かに泣いていた……
天帝は閻魔があまりにも辛そうで……
「……私でお役に立つなら……人の世に堕ちます……」と約束した
「頼む‥‥天帝よ
此より女神の泉に向かい‥‥‥人の世に堕ちてくれ‥‥‥
女神の泉には‥‥‥黒龍がいる
彼がお前を人の世に逝かせてくれるだろう‥」
魔界には未練などなかった
親しい友も
愛した人もいなかった
だから人の世に堕ちても構わないと想った
女神の泉に向かうと黒龍が待ち構えていた
黒龍は女神に頼んで必ず炎帝の近くに堕としてくれと頼んだ
そうして閻魔の命で人の世に堕ちた
力と記憶をそのままに人の世に堕ちた
人として生まれた子は‥‥‥神に近い力を秘めていた
当たり前だ
神の力はそのままで人の世に堕ちれば、その力は神と同等と謂えよう
人の世は……その力を利用しようと躍起になった……
その力に狂わされ……
壊された……
人として生きるのは辛いと泣いた
父に日々折檻を受け‥‥
此処は地獄だと想った
苦しみと悲しみしかなかった
母と呼んだ人は自分の命と引き換えに、我が子を飛鳥井源右衛門に託した
飛鳥井源右衛門は水森の果てを視て封印をした
それからは母の願いの通り
祖母の願いの通り
平凡な日々を送って生きて来た
父親に折檻され『神』と崇められた日々は学校すら通えなかった
平凡な日々に水森は遅れに遅れて学校に通った
そして大学を出て出版社に入社した
その出版社で‥‥‥飛鳥井康太に出逢った
一目見て……炎帝だと解った
炎帝に出逢う時、総ての歯車は回りだす‥‥
自分の役目が目前だと‥‥‥ただ漠然と理解した
底知れぬ力を秘め、皇帝閻魔の瞳を持つ神……そのままで……生きていた
飛鳥井家 真贋………としてこの世でも脅威の瞳で見られていた……
だが飛鳥井康太は毅然と胸を張り立ち向かっていた……
魔界で見た姿が……そこに在った
水森は……その姿を目にして泣いた
己の仕事を完遂する時が来たのだ
天帝として人の世に堕ちた使命を完遂する
その時が来たのだ
今の水森には何もない時と違って愛する人がいた
本当なら愛する人なんて作ってはいけないのは解っていた
人の世に関わりを持たず、何時消えても良いように生きていかねばならなかったのに‥‥
…………一臣……オレは……還らねばならない……
仕事を終えれば……
閻魔の元に……還らねばならない……
この世に未練はなかった
この世に引き留められるモノなどなかった……
だが出逢ってしまった今‥‥
………西園寺一臣と離れるのは嫌だと……
心が叫んでいた
仕事を完遂すれば……
西園寺の元に還れないかも知れない……
水森は泣いていた……
西園寺には気付かせない様に過ごそう‥‥
そう決めたのに‥‥泣きそうな顔をしている水森を見れば‥‥
社員達も何かあったんじゃないかって、心配していた
脇坂は電話を切ってから、水森の様子がおかしくてなったのに気付き水森の傍に寄った
「………どうかしましたか?」
脇坂は水森に問い掛けた
「…すみません……休暇願い出したいのですが?」
「構いませんが、何かありましたか?」
「明後日、真贋に用を言い付かったので休みます
その後は……解りません……
二度と還れなかったら……西園寺先生を宜しくお願いします……」
「………水森……自分が何を言ってるか、解って言ってますか?」
「………俺は……俺の役務を全うする
その為だけに……此処にいる……
役務を終えれば……還らねばならない……
還れと言われれば……」
水森はそう言い……黙った
脇坂は水森の傍を離れると、飛鳥井康太に電話を入れた
「脇坂です」
脇坂が切り出すと飛鳥井康太は
『……悪い……健を泣かせたか?』と見て来たかの様にそう言った
「……役務を終えたら還らねばならない……
そう言って西園寺先生を頼みます……
とお別れみたいなことを言われてます
水森は……二度と戻って来られない所へ逝くのですか?」
『……そんな事はしねぇよ!
健と西園寺って奴は恋人同士なんだろ?
それを引き裂く様な事はしねぇよ!
んとによぉ!オレはどんだけ非情なな奴なんだよ……』
「それを聞けば安心しました
今生の別れみたいな事を言ってたので…
気になったのです……」
『……脇坂……健に今世は人の世にいて良いと伝えてくれ……』
「……解りました……伝えます」
電話を切ると脇坂は水森の傍に行った
そして手を引っ張ってブースに入ると
「……今世は人の世にいて良い……と飛鳥井康太は言ってました……」
と伝えた
水森は「…え?……」と涙で濡れた瞳を脇坂に向けた
「……真贋はそう言いました
詳しくは聞きません
別れを考えなくても良いんです
西園寺先生を頼みますよ
君しか書かないと言ってるんですからね、頼まれても困ります」
「編集長……」
「真贋が、オレはどんだけ非情な奴なんだよ……とボヤいてましたよ?
彼程に無償の愛をくれる方は知りません
僕も野坂もあの方には救われてる
そんな人が恋人同士を引き裂く事なんてしません!」
脇坂はそう言い水森の肩を叩いた
そしてブースから出て行った
離れなくて良い……
嘘……
水森は信じられなかった
人の世に堕ちた使命すら忘れてしまう時を生きて来た……
本来の意味など忘れてしまう程の月日
人として生きて来た
自分が何者かも解らなくなるには充分な月日だった
人なのか……
神なのか……
何故……此処にいるのか……
何故……人の世に生きているのか……
人の世での日々は残酷で……
汚い日々だった……
生きるのが辛かった
それらに耐えて自分の使命を全うするつもりでいた
だが何時……魔界に還れるのか……
解らぬ恐怖の中……
何も見いだせずにいた
突然……その日はやって来て……
使命を完遂しろと言われた
無くしたくない存在を手にした今……
還りたくない……と想った……
願わくば……
今世の命が尽きるまで……
西園寺一臣といさせてください
彼の愛を胸に……
魔界に還る
もう誰も愛せない
一臣だけいれば良い
一臣の愛だけ在れば良い……
神としての役目……使命……
忘れてはいない
自分は天帝と言う神なのだから……
だが今は……人だ
人でいる時位……
人を愛しても罰など当たらないよね?
罰が当たってもいいよ
愛しているのだ……
この愛をなくさなくてもいいなら……
消滅してもいい……
一臣……
お前と離れたくない……
健は泣き崩れた
閻魔……
貴方の命令は完遂致します……
炎帝に逢った後……
どうなっても覚悟は出来ていた……
「………一臣愛してる……」
口に出せば……重い……
そんな愛は知らなかった
皮肉だな……
人の堕ちて愛を知るなんて……
水森は何とか自分を建て直し仕事をした
自宅に帰り水森は甲斐甲斐しく西園寺の世話を焼いた
食事を終えPCを夢中で叩いている西園寺を、何も謂わず見ていた
愛する男を黙って見ていた
机に向かってPCを触っていた西園寺は、水森の視線に気づいて振り返った
「どうした?」
「……ん?どうもしない……
書けたのか?」
「まだ、書いてる最中」
「………そっか……」
水森はそう言うと、そっと西園寺の背に抱き着いた
西園寺の背中に顔を埋め……頬を擦り寄せた
「どうした?健?」
「……どうもしない……
愛してる……一臣……」
西園寺の記憶を消してしまおうか……
水森健など知らなかった時の……西園寺にしてしまおうか……
記憶を消すのは容易い
だけど……忘れられたくない……
愛されていたいのだ……
西園寺を抱く手が震えていた
「………健……何があった?」
「……オレと言う人間が消えたらどうする?」
「探す……健に逢えるまで探す
俺は健しか愛せない……」
「……ならお前の記憶を消したら?
お前は……愛してる存在を忘れてしまったら?」
「……忘れたくない……
もし……お前を忘れたとしたら……
俺は……埋まらない何かを抱えて足掻き苦しみ生きるしかない
愛する存在を失って……
それすら覚えてない……
忘れた自分を責める
俺はお前を忘れたくない……
消えるなら………
俺を殺して………逝ってくれ……
俺はお前を亡くして……生きてはいけない
お願いだから……消えるなら…
俺を殺してくれ……」
西園寺は泣いていた
水森は強く西園寺を抱き締めた
「………消えない……絶対に消えないから……」
泣かないで……
水森も泣いていた
「………ごめん……ごめん一臣……」
「お前は……昔のまま生まれただけだ……
って言った
昔のまま生まれただけ……それって昔は力を持つ存在だったんだろ?
それって神か?
だとしたら……お前は還ってしまうんだろうって想ってた
役目を果たしたら……
お前は還ってしまうんだろうって想ってた
………その時が来たのか?」
「………こんな時のお前の勘は……殴りたくなる程に冴えてるな……
もし俺が神だったら……お前はどうする?」
「お前が神だろうが、天使だろうが、悪魔だろうが構わない……
俺の傍にいてくれるなら……何でも良い」
「………一臣……」
「……お前が逝くなら俺も逝く
役目を果たす日……俺も連れて逝け…」
「……一臣……」
「共に消えれば……一緒にいられる…」
水森は泣きながら「それはダメだ」と謂った
「俺をこんなに寂しがり屋にして‥‥置いてけぼりにするな‥‥」
「………一臣……後悔しない?」
「お前をなくすよりは良い……
俺はもうお前をなくして生きてくつもりはない……」
「…………一臣……今度天魔戦争の話をしてやろうか?
愚かな……神々の闘いが今の人の世が生み出した日の話をしてやるよ……
お前は……それを書け……」
「書いても良いのか?」
「愚かな過ちは繰り返す……
それは人の世も同じだ……
忌日に遺すのは悪い事ではない
誰も……ノンフィクションだなんて想いはしない……
架空の世界の話だと想うだけだ……」
「お前が書けと言うなら俺は書く
お前がいてくれるなら……俺は生きる
お前がこの世から消えるなら……俺も消える……
だから……一緒にいさせて……」
西園寺は水森の手を強く抱いていた
水森は西園寺の背から離れると、西園寺の膝の上に乗り‥‥西園寺を強く抱き締めた
「約束する……お前と離れるなら……
俺は自分とお前を昇華する
神になど戻れなくとも良い……
お前がいるのなら……泡沫の泡となっても良い……
幸せな泡として消えてけば良いんだから……」
「………健……」
「俺は……お前と離れるなら消えようと決めていた
お前の記憶を消すのは嫌だ……
俺を忘れて……生きてく一臣など見たくない……
だけど還らねばならないと言われたなら……
俺は人の世にはいられない……
お前と離れなきゃいけないのなら……俺は消えた方がマシだと想った……」
西園寺は強く………健を抱き締めた
「………ずっと一緒に……それしか望んじゃいない……
一緒に消えような……健……」
水森は泣いていた
「………エゴだって……解ってるんだ……
だけど……離れたくないんだ……
こんな感情……遥か昔だって抱いた事はない……
俺は誰かを愛した事などない……
だから……還りたくないなんて想うなんて……」
震える肩が……愛しかった
自分だけの存在だった
互いだけの存在だった
「手首を赤い紐で括り付け……離れない様にして死のうな……」
死しても共に………
「それ良いな………俺を離すな……」
「離すかよ!お前がいなきゃ生きられないんだからな……」
水森は西園寺の唇を接吻で塞いだ
口腔を舌が搦み合い搦み付く……
飲み込めない唾液が顎から流れて扇情的だった
「誰にも触らせない……」
水森は魘された様に言った
西園寺の上から下りると、ズボンの前を寛げ……勃ち上がった性器を下着の中から取り出した
熱くなった肉棒を口で口淫した
「……健……ズボン脱いで乗って……」
椅子に座ったままの西園寺が強請った
水森はズボンと下着を蹴散らすと、西園寺の上に乗った
西園寺は大切なモノでも触るように水森の体躯に触れた
「……健……この小さな乳首は俺が触ると感じて赤くなる……」
西園寺は健の乳首に触れた
「…ァ……触るならちゃんと触ってくれ……」
水森は焦れて誘った
だけど西園寺はペロッと乳頭を舐めただけで触れようとはしなかった
健の乳首は勃ち上がってはしたない程に震えていた
囓られ舐められると乳首が熱くなった
水森は自分から服を脱ぎ落とした
「…一臣……触って……」
水森は西園寺の手を取ると股間へと導いた
だが西園寺の手は、スルッと通り過ぎて股間よりも奥を目指した
「……焦らすな……アァッ……ァン……アァン…」
耳の穴を舐めて耳朶を甘噛みして水森は誘った
「ほら、もっと腰を突き出せよ
奥を可愛がってやれないぜ!」
健は西園寺の指を口元に持って来て……
指を舐めて濡らした
「……触って……一臣……」
「何処を?」
水森は濡らした指を後庭に導いた
双丘を割って蕾に挿し込むと……赤く蠢く襞がピクピク震えていた
指を咀嚼して腰が動いた
「……ねぇ……奥っ……ねっ……」
水森はもっと奥……と強請った
「欲張りだなぁ健は……足らない?」
指をクネクネ動かして掻き回した
水森の腰が物足りなさそうに動いた
「……足らないって!
焦らすなら……一人でイクッ……」
水森はそう言うと自分の股間に手をやった
そして性器を掴むと扱き始めた
「……ダメ……一人だけ気持ち良くなろうとしないで……」
「なら挿れろよ!」
「……堪え性がないんだから……」
西園寺はそう言い水森の肩に噛み付き挿入した
「………痛ぇな……アァッ……いきなりかよ!」
色気が少々足らない気がする……
喧嘩腰に喘がれて西園寺は笑った
こんなセックス……水森としか出来ない
喘ぐばかりじゃない……
ちゃんと、どうして欲しいか言ってくれる……
時には喧嘩腰に……だけど……
それでも水森らしい……
西園寺は夢中で腰をグラインドさせた
水森は西園寺の背中に爪を立てた
「………っ………健……健………健……」
西園寺は水森の名を魘された様に叫んだ
水森は西園寺を抱き締めた
貪り合って……
果てるまで抱き合った
水森は西園寺の胸に顔を埋めいた
西園寺は水森の頭を撫でていた
「……健……」
「なに?」
「………スーツを作りに行こうか?」
「………スーツ?」
「俺は健と一緒に逝く……
何があっても良い様に……白いスーツを二人で着よう……
健はケチだから、スーツ代は奢ってやるよ!」
まるで死に装束の様な色を西園寺は選んだ
二人で……この世の泡沫の泡になる
そう決めていた……
だから何時消えても良い様に……
二人して純白の……衣装に身を包もう……と言うのか?
「………一臣……新郎の衣装でも着て結婚式でも挙げる気か?」
水森は茶化した
「この世で結ばれないなら……あの世で結ばれたいけど……
健はそう言う訳にはいかないんだろ?
なら二人して消えような……」
「……あぁ……二人して消えよう……」
「お前を愛せて良かった……」
水森は西園寺を強く抱き締めた
悔いなど無い
悔いなんか遺すかよ!
愛する人と共に……
それしか望んでなかった……
「………幸せすぎて怖いな……」
水森は呟いた
「俺も……健と離れなくて良い……
もう一人じゃないって想える……
だから最高に幸せだ……」
「一臣……指輪……買ってやろうか?」
「健もはめるなら……」
「オレは薄給だからな……オモチャの様な指輪だぜ……」
「良いよ
健がくれるのなら……それだけで嬉しい」
「………っ………愛してる……」
水森はそう言い泣いた
「俺も愛してる」
自然と重なる唇は愛に満ちていた
悔いなんかない
後悔なんてない
離れなくて良いなら…
こんな幸せはないのだから……
未来永劫……
離れない選択をした日
水森は最高に幸せな顔をしていた
西園寺も蕩ける様に幸せな顔をしていた
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