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第2話

雪が降ってる 今年はとても雪が多い 「寒いな」庭園の奥の一角で ぽつりと呟くサリューン 庭園の奥まで来て 東屋に座り込む まるで・・そう まるで 北の国 巨人族の国の雪と寒さを思い出す 「・・・風邪をひくぞ」彼に瓜二つ  赤い瞳と青の瞳のオッドアイ 髪型は違って 長髪のサリューンに比べ短め 目つきは サリューンより吊り上がって見える はっきり言って鬼瓦・・ 「お帰り サラ兄上」サリューンが微笑む 「ああ、ただいま 戻った 何を考え込んで・・・ああ、そうか」 「そうだよ 俺は巨人族の城の事を想い出していた  とても長い年月 あそこで過ごした」サリューン 「・・・巨人族の王達の玩具だった頃の事」 上に顔をあげ 雪の降る空を眺めなら呟く 「奴らに従う呪いの入れ墨を足に刻まれ これのせいで 身体の治癒能力の多くが失われた」 「・・・辛かった でも 異母妹のテイが傍にいてくれた 奴らは 美しい妹のテイには 手を出せなかった それは救いだったが だが・・テイは俺の有様を知ってる 奴らはそれを見せたから」 「男達に抱かれる俺を・・あの子は無理やり見せられた 最低の兄だな・・あの子を 大事なテイを悲しませ 長い年月助ける事も出来ずに」 「・・・・・」サラは黙って聞いてる 「・・・もう一人の俺の妹 アリサは・・」 「会いたいだろう?」「ああ」 「ん・・瞳の偽装が解けてる」サリューン 「ああ・・幻影の魔法か またかけ直す」サラ サラの青い方の瞳が金色 黄金色に変わってる 「・・お前もずっと目の眼帯代わりの布をかけて 大丈夫なのか」サラ 「問題ない・・というか 少し前からまた盲目に戻った 魔法の力で視てる」サリューン 「何故黙っていた!」血相を変えてサラが言う 「・・・戻ったら 治療するから それにここから動けないのは 分かってるだろう?」サリューン 「・・だが 俺は今のアジェンダ王様やアリシア姫の傍から 離れたくない・・というのも本音だ アジェ様は優しくて情熱的で・・アリシア姫はとても愛らしくお茶目な腐女子 ふふ」 「ここは心地いい・・それに俺もアジェンダ様の発情期に 反応して あの人が欲しいから」サリューン 「とにかく瞳を見せてみろ」サラ 「はいはい」赤い布を外して 偽装の傷や白い眼球面を外す 赤い瞳と隠されていた金色 黄金色の瞳 手をかざして治癒の魔法を試みるサラ 「・・・俺では無理だな」 「・・・・・・」 「足の入れ墨は?」 長めのチュニック 服の裾を大きく上げて  隠してる金の足輪を外し 足の上部に刻まれた入れ墨を見せる 不可思議な文字や魔法の効果のある文様が刻まれてる 「今の処 強い邪気は出てない 微弱だが 少々気になるな 封印の効果のある金の足輪は出来るだけ外すなよ」 「ああ、わかってる」 その時であった 「サリューン サラ その瞳は一体? サリューン 片眼は潰れたはずでは・・・それに在り得ない」 驚き立ちつくすアジェンダ王 「・・・雪の中なのに 捜しに来られたのですか?」サリューン 「まあ、驚くのも無理ありませんね ふう」サラ 「・・・黒の魔力は瞳の色で現わされる 風は緑や青 水は青 大地は黒か茶色 戦に強き力 戦神の力は赤き火焔色 そして黄金の金 赤き火焔と黄金を同時に持ちえる者は出現していない 出現するのは・・300年後 貴方の子孫であり 最後の黒の王となるアーシュ アーシュランのみ」 「・・・俺達が300年後の貴方の子孫である アーシュです アジェンダ様」 「・・・な・・」 「どうゆう事だ?訳が分からぬ!!」 「・・・いずれ時の果て で知る事になります それまでは・・・忘れてください すいません 俺達は歴史を・・  アジェンダ様やアリシア姫を護る為に来たのです」 「・・・アラシャ!アシャ!!お前たちのアーシュが呼んだぞ!」二人が叫ぶ 「はいはい!」「はあ~い」 黒猫耳に尻尾の人間 二人の少年と少女が何もない空間から現れる アシャ 青い瞳 肩程の黒髪 少女の方は前髪の横を赤いリボンで結んでいる アラシャ 少年の方はかなりの美形 青い瞳 流れる黒髪を肩程の長さで切りそろえていた ・・アラシャの目は 何か暗いものを含んでいる 尻尾や耳をパタパタさせる二人 二人の魔力は アジェンダやアーシュ達を越えてる・・ 「すいません~~そういう事なので うふふ」 「ごめんなさいね~~にや~ん」 「!!」!!金色の光に包まれ 気を失う それから・・ アジェンダは自室のベットで目を覚ます 「大丈夫ですか?アジェ様」サリューンが微笑む 「・・サリューン?」 「うたた寝しておられたから サラ兄上やアラシャ達に ベットに運んでもらいました」 そう言って そっとアジェンダの唇にくちずけをする 「そうだったか よく覚えてない」 「ふふ・・」再び唇を重ねるサリューン 「・・・・・・」 「今晩は俺・・いえ私が欲しがっていいですか? 欲しいですアジェ様」 じっと見つめる 艶笑みを浮かべる アジェンダは静かに笑みを浮かべ  黙ったままサリューンの眼帯代わりの布を緩める 「あ・・」 布が外れ 目元の刀傷と眼球代わりに入れられてる白い球が見える 「あの・・見た目が悪いですから」「そのままでいい そなたは綺麗だ」 「・・ん・・あ」サリューンが首すじに唇を這わされ 小さく声を上げる 服がゆっくりと脱がされてゆく  半裸となる二人 そこにまたもや  容赦なくノックの音と共にドアが開きアリシア姫が現れた しかも今回はサラと女官たち アシャ達もいる 瞳をぱちくりさせるアリシア姫  腐女子趣味な2人の女官たちは本当に頬を赤くして嬉しそうに喜んでる 黒猫のアシャも同じな趣味なので にま~~とすごく~~嬉しそう 黒猫のアラシャは口元を歪めて にや~んと凄く嫌な感じの笑みを浮かべてる 双子のサラの方は力尽きたような表情で 口元を歪めてる 「料理上手なサリューン様の兄君 サラ様が作ったお食事が出来たので 呼びに来たのですが・・ お・邪・魔だったみたいですわね くすくすっ」 「うふふ・・お食事は保温の魔法をかけて 部屋の外に ワゴンにのせておきますから ではでは 頑張ってくださませねええええ うふふふふふっ」 眼福、本日もご馳走様 目がそう言って嬉しそう にこやかで腐女子の笑みなアリシア姫 バタンとドアが閉まる 「・・・・・」「・・・・・」黙り込む二人 しばらく後に黙った後 アジェンダがサリューンをベットに押し倒す 「・・では 頂くとする そなたが誘ったのだから手加減はせぬ・・泣いても許さぬ」 不敵な笑み というか獲物を前にした肉食獣の笑みである 「・・・・・」目を大きく見開くサリューン そのまま ベットでの饗宴が始まる 外は雪 静かに降り積もってゆく・・

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