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第3話
店長の家は彼が言った通り笹原の家から近く、ちょうど俺の家との中間地点くらいにあった。
あまりに強引なエスコートで連れてこられてきたために玄関で足をすくませてまごつく俺に店長はため息をついた。
「あんなところにいつまでもいたら不審者として通報されていたよ。」
「あの家は、ダチの家で…」
「だからって、常識的な人間が訪ねて良い時間じゃないよ。こんな時間になるまで働かせたのは僕だけどね。」
連れてこられた時とは真逆の態度で優しく俺を諭した店長はごく自然な動作でスリッパを勧めてリビングへと誘導する。
店長の部屋はモデルルームのように整然と整えられていて、どこか冷たかった。
「寒いかい?いちおう24時間空調なんだけど、温度を上げる?」
黒い革の3人掛けソファへ座るように促され浅く腰をおろす。店長はリモコンでピッピと室温を調整してから俺の前にコーヒーと店でも振る舞ったショコラを並べた。
「後藤クンさ、休憩時間に外へ出てから様子がおかしかったでしょ。僕に話せるなら話してごらんよ。」
俺の座ったソファの右手側に腰掛けた店長は優雅な仕草でコーヒーを口にした。
「……ダチとすれ違いが続いていて…」
「……うん。」
ぽつりぽつりと話し始める俺に店長は優しく相槌を打つ。俺の言葉が止まるタイミングで彼はコーヒーとショコラを勧め俺は疑う事なくそれに口をつけた。
甘いショコラに苦いコーヒーはよく合っていた。そのショコラは店でもらったものと違い中にリキュールが仕込まれたボンボンだった。
「美味しいだろう。これは来年のバレンタインへ向けての試作品だそうだよ。」
店長が語る幼馴染のパティシエとの関係はとても良好で俺は相談相手として、大人として彼を疑う事なく信頼した。
そんな風に気づかぬうちにボロボロと俺は笹原とのすれ違いと会えない辛さを話し始めていた。
「俺…アイツに付き合い悪いなってメールしたんすよ……付き合い悪いの俺の方なのに……いつもアイツの方からメールくれたのに最近無かったから……でも当たり前っすよね。アイツからのメール、既読スルーしてたの……俺なんだし……」
全てを話し終えた頃には店長は俺の背中をゆっくりさすっていた。いつの間にか彼は俺の隣にいて、俺はその両腕に包まれていた。
「後藤クン、後藤クンは悪くないよ。君は彼のために頑張っていたんだもんね。」
店長の言葉は優しく温かい。その腕の体温も…
笹原への不安と焦りに加えて日々のバイトによって心身共に疲れ果てていた俺は考える事を放棄してその腕に身を預けてしまっていた……
*****
「……んっ…あ!……あぁっ!!」
じゅぶじゅぶといやらしい音を立てて店長が俺を追いたてる。はぁ、と大きく息をつけば、俺の股間から顔をあげて彼は敏感になっている尿道口をペロリと撫でる。
「さすがに早いね。若いなぁ〜」
舌舐めずりしながら彼はその下の睾丸を撫で回した。
どうしてこんな風になったのか理解が追いつかない。ただただ温かくて優しい言葉と体温に流されて気持ちよくて、気持ちよくて…
一度放出した俺の分身が再び勃ち上がらせると、店長は「今度は僕の番ね。」とベルトへ手をかけた。
スラックスと下着を一気に下ろすと飛び出したのは見事なちんぽだった。カリ高で太さも色もエゲツない。まさかそれを俺に挿れるつもりなのだろうかと、快楽に流されふわふわと夢見心地な気分が一気に引いて青褪めた。
気持ちとちんぽはすぐにリンクして萎えてしまった俺の分身に気づいた店長はにやりと笑い、かぶりつくように俺の口を塞いだ。
肉厚の舌が口内を我が物顔で蹂躙してくる。笹原との経験しかない俺には衝撃的だったのは店長の舌先が上顎をねっとりと攻めてきたことだった。
「はっ……ぁ……ふっ……」
飲み込めない唾液に店長の唾液まで注ぎ込まれてむせそうになる。しかしそれもゆるされずに溢れた液体が口から喉へ伝わり滴り落ちていった。
「ふぅ。復活したかな〜」
長い長いキスが若い俺の身体をすぐに熱くさせるのは当然で、再び勃起した俺のちんぽを優しく握った店長は唾液にまみれた下唇をぺろりと舐め上げて淫靡に笑った。
「萎えたら駄目でしょ〜。僕のお楽しみはこれからなんだから♡」
そのエロすぎる肢体にくぎ付けになる俺に跨ると店長は俺のちんぽを尻にあてがいゆっくりと腰を沈めていった……。
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