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 夕食を済ませてお風呂に入り、あしたの支度まで全て終わらせて、布団にもぐりこんだ。  放課後の会話を思い出す。  そして、そのときは考えないようにしていたことが、再び頭によぎる。  無人島。観光客が見えない死角で、先生は俺を壁際に追い詰める。  俺の両脚の間に自分の左足を差し込んで、壁ドンのようにして俺の身動きを封じる。  誰かに見られると抗議する俺をあやすように、優しい声で「大丈夫だよ」と言って俺の頬を包む。 「……」  また自然に、右手が自分の下腹部へそろりそろりと降りてきた。  先生は、ついばむようなキスをする。  俺が目をつぶっても、激しくしたりすることもなく、ちゅ、ちゅ、と、角度を変えて優しく口づけるだけ。  それでも、脳みそがしびれるくらい気持ちいい。  俺は、右手でペニスを捉えて、左手で下着ごとズボンを足首まで下ろした。  既に硬さを持ったペニスは、布団の中で不自由そうに跳ねている。  掛け布団を蹴った。  あらわになった下半身の中心を、いきなりトップスピードで上下し始める。 「……ぅ…」  息を詰めて、扱く手の動きを堪能する。  妄想の中の先生も、俺のズボンのファスナーを開けてペニスを取り出し、上下にこすってくる。 「……ッ……」  妄想の中の俺は、たまらなくなって、上ずった声で弱々しく「だめ」と静止している。  でも先生は、優しい笑みのまま手を止めない。  髪に横から手を差し入れられて、後ろに向かってすっと流される。 「ぅぁ……」  想像すると、自然に腰が浮いた。  先生の一挙手一投足に、自分で引くくらい、過剰に反応してしまう。  なるべく激しく射精したくて、妄想は過激に、手の動きは強く速くなっていく。  妄想の中の先生が、ひざまずいて、俺のモノを口に含んだ。 「………ッ……っ」  息を詰めて、声を殺す。気持ちいいしか考えられない。 「は、ぁ…………っ」  たまらず漏れる、短い声。荒い息。  ふと、想像ではない、さっき話していた先生の笑顔とセリフが浮かんだ。 『きのうの夜から、ずっとそんなことを考えてた』 「……ィ……ッ…っ…………!」  ドクドクと、濃密な熱が放たれた。  不思議と、きのうのような罪悪感はなくて、ただただ、気持ちよさと、少しの切なさがあった。  荒唐無稽(こうとうむけい)な妄想だったら良かったのに、なんと先生は、本当にそんな言葉を口にした。  先生のせいではないけど、俺のせいでもない。  でも気が済むまでは、こうやって自分でなぐさめるしかない。  何日したらこの気の迷いが終わるのか分からないけれど、別に叶わなくてもいい妄想、新しいオカズくらいに考えている自分と、本当に優しくされてみたいと思っている自分が、ないまぜになった。  そしてこの自慰行為は、ゴールデンウィークに出かける前日まで続くことになる。  妄想の中の先生は、教室で、帰り道に密会して、プライベートでうちに来て……色々なところで俺に優しくしては、俺の期待に応えるように抱いてくれた。  その度に俺はのけぞるように激しく射精し、切なく細い息を吐きながら、子供じみた欲を撒き散らす。  とどまるどころか、妄想と自慰は、エスカレートしていた。

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