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翌日は土曜だったので、俺の提案で、観光名所化した都会のファッションビルを観に行くことにした。
最上階のレストラン街に、おいしいラーメン屋があるらしい。
ビルの入り口にあきの姿を見つけて、駆け寄った。
「おはよう」
顔を見たら、途端安心した。きのうの張り詰めた気分は忘れて、リラックスしていい。
会ったらすぐ、きのうの授業が評判良かったことを話そうと思っていたけど、やめた。
いまは完璧に、あきと深澄だから。
あきは少しかがんで、俺の顔にずいっと近づいた。
「なに?」
あきは真顔で2秒ほど見つめたあと、ふにゃっと笑ってささやいた。
「やっぱり深澄は、近くで見たほうが可愛い」
頭をなでられて、耳がかっと熱くなった。
あれだけ平然と授業をしていたけど、あきもやっぱり、少しは気になっていたんだ。
きょうは15:30から予備校があるから、本当にちょっと一緒に過ごして、ご飯を食べて終わり。
それでも、会えるのがうれしかった。
ぎゅーっと抱きついて甘えたいと、ここ数日ずっと思っていたから。
きょうは我慢したくなくて、恥ずかしいみたいな気持ちを完全に封印し、ねだってみた。
「ねえ、ふたりでゆっくりできるとこ行きたい」
あきは、慈しむような目で「そうしよっか」と言って、裏通りに向かって歩き始めた。
交代でシャワーを浴びる。
少し濡れてしまった頭を拭きながら出てくると、裸のままのあきがベッドの縁に腰掛けていた。
早く触りたくて、少し弾みをつけてあきの腕の中に飛び込む。
手を広げたあきが受け止めてくれて、そのままコロンと布団に転がった。
「おいで」
優しく言われて、体を少し上にずらす。
寝転がったまま、そっとキスをされた。それだけで、ピクッと体が反応してしまう。
あきの舌が入ってくると、くぐもった声が漏れた。
「ん……」
これだけで気持ちいい。触れ合ってるところ全部があったかい。
深いキスをしながら、あきの手は、俺の体のあちこちをゆっくりなでた。
繊細な指の動きに、ゾクゾクする。
俺は、あきの首筋から腕を通して、頭を抱えるように、さらに大胆にキスをする。
俺の中心が少しずつ昂 ってくるのが分かる。
あきのそれも、少しずつ固さを増して、俺の太ももの付け根あたりに主張してくる。
「深澄、触っていい?」
「うん。俺も触る」
完全に反り勃ったそれを握ると、急激に興奮した。
「んんっ……」
あきの手は、握る力を強めたり弱めたりしながら、一定のスピードで上下してくる。
「………っ……」
思わず息を詰めると、先端のとっかかりの部分を重点的に触られた。
「ン…はぁっ」
甘い吐息が漏れる。
あきは、俺の耳元にくちびるをうんと近づけて言った。
「なめてもいい?」
「……っ…、なめる? って?」
「ここ」
あきの手は、ペニスをぐいっとこすり上げた。
「ぁ、」
物理的な刺激と、何をされるのかが分かって、上ずった声がでた。
「ん、して。どうしたらいい?」
「ごろんって、仰向けになってくれたらいいよ」
言われた通りの姿勢になる。
あきは1回俺のおでこにキスを落としたあと、体を丸め、俺の太ももを持った。
裏筋を、下から先端へなめ上げられる。
「……ぅあ」
そしてそのまま、ぱくっと全体を口に包まれた。
「……ンッ、はぁ」
あったかくて、これだけで気持ちいい。
あきは、俺のペニスをくわえたまま、頭を引いたり近づけたりして、刺激してくる。
「は、ぁ……っ」
きもちいい。きもちいい。
たまらず、シーツを握りしめる。
あきは、容赦なく口で攻めた。
くわえながら舌でなめたり、じゅるっと吸ったり、フェラされながら乳首を弾かれた瞬間は、裏返った変な声が出た。
「ぁあ、……ん、ン…」
胸の突起をくりくりとつままれながら、ねっとりとなめられる。
「……あき、もぅ…イッちゃいそ……」
訴えるように下を見ると、あきはちょっと顔を上げてこちらに目を合わせたあと、じゅるじゅると思い切り吸い上げた。
「あっ、…き、ぁ……離して」
あきは何も言わずに、ぎゅっと乳首をつまむ。
「んん……ッ、はあっ、あ、イッちゃう…はぁ」
両足に力が入り、腰がひとりでに浮く。
「…あ、も、離して……、イッ……」
突然、あきの上下するスピードが速まった。
「あっ、だめ、あぁ……、やだ、ん……イッちゃ、ぅ、あ、イク」
ぎゅっと目をつぶる。
「……イッ……あぁッ!…………っ…!……ッ……!……ぁ!…………ッ」
あきのあったかい口の中に、大量に射精してしまった。
「……っ、はあ、はあ、はぁ……ごめん」
顔だけで下を見ると、ティッシュをたぐりよせたあきが、口の中のものを吐き出していて――でもいくらかは、わざと飲みこんだように見えた。
特に何も言うことなく、ちょんちょんと手招きする。
あぐらをかく足の中心は、ガチガチに固くなっていた。
「俺もフェラしていい?」
「してくれるの?」
「どうしたらいいか分かんないけど」
「教えるよ」
くるりと背を向けたあきは、ベッドに浅く腰掛け、足の間に来るように言った。
ひざ立ちで、そっとくわえこむ。
あきが静かに、甘ったるい吐息を漏らした。
「全部くわえられる? 歯は立てないようにして、苦しかったら無理しなくていいからね」
言われた通り、ぱくりとくわえる。
「口のなかに唾液を溜めて、そのまま顔を引いたり、また奥まで戻ったり」
あきは俺の頭を少し支えて、前後する動きをサポートしてくれた。
ちゃんと気持ちいいか目線だけで表情をうかがうと、あきは驚いたように目を見開いたあと、ぷいっと顔をそむけた。
気持ちよくないのかと思って、反応を見ながら、じゅぼじゅぼと音を立ててみる。
「……、深澄、こっち見ないで」
あごを少し上げたあきが、口を半開きに俺を見下ろした。顔が赤い。
「上目遣いは……ね……」
そう言いながらも、俺の頭に置かれた手は少し力が強まっていて、感じてくれているのがよく分かる。
いじわる心が働いて、上目遣いのまま、舌を使ってなめたり、浅くくわえて速めに動いてみたり、色々した。
「……はぁ、…」
明らかに呼吸が荒い。
「み、すみ。イキそう。口を離して、右手で扱いてくれる? それで、左手で受け止めて。いい?」
こくりとうなずき、言われた通り、ペニス全体を大きく素早く扱く。
「…………っ……、」
眉間にしわを寄せ、目をつぶったまま、俺の頭を何度もなでる。
「…、く…………!……ッ……!……っ……」
ドクドクと、手の中に熱が放たれる。
最後の最後、出なくなるまで、右手で扱き続けた。
「……っはぁ、はぁっ、はぁ……」
あきの体から、力が抜ける。俺のつむじに、あきの額が当たった。
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