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 翌日は代休で、あきの家に行くことになっていた。  道はもう分かったので、直接マンションへ。  学校で警戒するのは当たり前だけど、単身用マンションに子供がしょっちゅう出入りしていたら、近所のひとがあきを変な目で見るかもしれない。  あんまり来ないようにしよう、と思いつつ、あきのプライベート空間を許されるのは本当にうれしくて、胸が高鳴った。 「いらっしゃい」  出迎えてくれたあきは、いかにもルームウェアといった感じの、リラックスした服装だった。 「あ、あのさ」  いつ渡していいか分からないので、靴も脱がずに紙袋を差し出す。 「これ、プレゼント」 「え?」  驚いて、ぱっと目を見開く。 「誕生日、来週じゃん。平日だし、いましか渡すタイミングないから」  あきはぽかんと口を開けたまま紙袋を受け取り、しばらく俺の顔を見つめたあと、眉尻を下げて笑った。 「ありがとう」  ぎゅうっと抱きしめられる。 「とりあえず上がって?」 「うん。おじゃまします」  ソファに腰掛けると、あきは、とんでもなく幸せそうな顔をしていた。 「開けていい?」 「どうぞ」  気に入ってくれるだろうか。ドギマギしながら、整った横顔を見つめる。  紙袋から取り出した箱のリボンをほどき、そっと開くと……。 「スヌード」 「そう。原宿で買った」  店員さんがおすすめしてくれたのは、筒状になったら大きなマフラー。  ぐるっと二重にしてすっぽりかぶるタイプのものをスヌードというのだと、教えてくれた。 「もこもこだね。あったかそう。巻いてみてもいい?」 「貸して」  あきの手から受け取り、ふわっと肩にかける。1度ねじって、すぽっとかぶせた。  気持ちよさそうに、顔を埋める。 「あったかい。それに、これは楽ちんだね。僕、マフラー巻くの下手で、朝急いでいたりするとそれだけで嫌になっちゃうから」 「使ってくれる?」 「もちろん。大事にするね、ありがとう」  そっとキスしてくれた。 「ん。深澄、いいにおいする。もしかしてお風呂入ってきた?」 「う、うん」  きのうの夜は、疲れたふりをして、あえてお風呂に入らず寝落ちした。  そして、きのう入っていないからと言って、出かける直前にシャワーを浴びてきた。 「可愛い。深澄って健気なんだもん」  スヌードを箱にしまいながら、クスクスと笑う。 「僕、深澄に謝らなきゃいけないことがある」 「山手線でしょ?」  あきは、とてつもなく恥ずかしそうな顔をしたあと、「ごめん」と言った。 「居ると思わなかった」 「俺、聞いてて死んじゃうかと思ったよ」 「課外学習の引率なのに、なんだかんだ浮かれてたのかなあ。あー恥ずかしい」  そう言って、鎖骨のあたりに頭をぐいっと押しつけてきた。 「なんであんな話したの?」 「真後ろに、2回告白してきてる子がいたから」 「え」  あきは困ったように笑う。 「付き合ってくださいって、結構真剣に言ってきていてね。もちろん2回ともお断りしたんだけど、『あきらめないです、卒業したら生徒じゃなくてひとりの女の子として見てください』って。指輪の件でめげなかった子のひとりかな」 「ひとりって? もっといるの?」 「うーん。たぶん? 1・2年生にはだいぶ効果があったと思うんだけど、3年生はあきらめてくれていなさそうな子が何人かいるなあって、最近気づいた。卒業が近いからかな」  一体、どれだけの女子が三船先生を好きだったのだろう。 「でもだからって、どうやって付き合ったのかまで話さなくて良くない?」 「それはごめん。それを言い訳させて欲しくて来てもらったんだ。怒らないで聞いて?」  両手を合わせて小首をかしげられたら、ダメと言えるわけがない。 「自分から言ったってことを強調したかったんだよね。僕は、自分が好きになったひととしかお付き合いしませんって。それに、『僕のこと好き?』なんて聞いちゃうような情けない大人なら幻滅してくれるかなあとか」 「結果燃え上がらせてたじゃん」 「なんでだろうね。それに、全文言う羽目になるとは思わなかった」 「あきはたまにとんでもなくズレてる」  俺はあきの顔にぐーっと近寄った。 「理由は分かったからもういいよ。恥ずかしかっただけで、怒ってもいないし」 「じゃあもう抱いていい?」 「えっ?」  そんな聞き方されたのは初めてで、びっくりしてしまった。 「早く深澄の可愛い声が聞きたくて仕方がなくて」  手を引かれ、寝室へ。ぽすんと、いとも簡単に押し倒された。 「あ、あき。あのさ」 「ん?」  ちゅ、ちゅ、とくちびるに優しくキスしてくる。 「卓球、できなくてごめんね」 「それ、いま言うの?」  あははと笑ってから、俺の耳を甘噛みした。 「ん、……ちょっと楽しみにしてたから」 「またいつでもできるよ」  パーカーの中に手が滑り込む。まくり上げて、そのまま上半身のあちこちにキスされた。 「ん…」  それだけで期待してしまって、ひとりでに腰が動く。 「本当に、声、我慢しないで?」 「でも近所に聞こえちゃったら……」 「きょうは平日。ここはサラリーマンしか住んでません」  くるりと乳首をこねられた。 「ぁ……っ」  片手でつまんだりはじいたりしつつ、ベルトに手をかけて、下着ごと強引に下された。  既に固いものがさらされる。  何の前触れもなく、ぱくりとくわえられた。 「あっ、」  吸い付くように顔を上下されて、気持ち良さに思わず背を反らした。 「……んっ、はぁ」  じゅぼじゅぼと音を立てて、ちょっぴり手荒く。 「はあ、……ぁ、あき、ぁんっ」  鳴かせるつもりだ、と思った。  恥ずかしさと興奮が入り混じって、あられもない声が出てしまう。 「…はぁ、っあ、ん、……んンッ、はぁ」  あきの口は本当に容赦なくて、俺の反応が良いところをすぐに探り当てて、重点的に攻めてきた。 「ぁ、あっ……や、そこ……ん、はぁッ」 「ダメだよ逃げちゃ」 「ん、ぁあっ、……あ…っはぁ、やだ、…あ」  あきは俺のペニスを口に含みながら、ベッドのサイドボードから、ローションを探り当てた。 「中も、いい?」  くぐもった声で聞かれて、訳がわからなくなる。 「ぁ、はぁっ、……ん、して、……なか」  あきは口を離し、たっぷりのローションを手に取ったあと、お尻の穴にぷつりと人差し指を入れた。

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