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7-6

 あきの体力面を考慮した結果、俺が上に乗ることにした。  うしろをほぐすのだけはやってもらって、「あとは自分で動くから」と言ったら、うれしそうにこくりとうなずいた。 「そう、そのままゆっくり」 「ん……ッ」  寝そべるあきの上に乗り、ペニスの先を当て、ゆっくりと腰を落とす。 「ん…っ、ぁ……」 「ゆっくりでいいよ」 「は、……ぁ、あぁ……」  ずぶずぶと、沈んでゆく感覚。  自分は確かに沈んでいるのに、中には固くて熱いものが突き立てられていく感じ。 「ぁあッ」  たまらずあごを跳ね上げた。  あきのものを最後まですっぽり飲み込むと、お腹の奥までギチギチで、ちょっとでも動いたら、おかしくなってしまいそう。  眼下では、少し赤い顔をしたあきが、目をトロッとさせてこちらに焦点を合わせようとしている。 「うごくね」  ぎこちなく上下する。 「……っ…」  自分で動いて自分で気持ちいいところに当てて喘ぐのは、すごくいやらしいことをしている気持ちになって、恥ずかしい。  息を詰めていると、あきの手が俺の腰にそっと添えられた。 「可愛いよ、深澄。恥ずかしがらなくていいから、もっと気持ち良くなってるところ見せて?」 「…ん……」  ゆっくりと、良いところに当てる。 「はぁ、ん……」  あきも、まだ全然動いてないのに息が弾んでいる。  熱のせいか、気持ちいいのか、あるいは両方か。  自然と腰を振る動きが速まってきて、その度に、あられもない声が漏れる。 「あ、ぁあっ、はぁ……はあ、っぁん」  あきが、俺の腰をぐっとつかんだまま、腰をくいっと上げて奥を突いてきた。  ちょうど腰を落としたタイミングと合って、思わず大声が出た。 「ああぁッ」 「いまの気持ちよかった?」 「ん、……ん、はぁ、」  もっと気持ちよくなりたくて、腰がぐねぐねとひとりでに動く。 「ぁ、あき……きもちい、ぃ、……はぁ」 「可愛い」 「あきは? ……気持ちいい?」 「うん、とっても……きもちいい。心もね」 「……ぅ、あ、……んんっ、はぁ…ッ」  体重で押し潰しちゃわないかと心配になりながらも、腰の動きが止まらなくて、何度も何度も体を沈める。 「ぁあっ、ん……、はぁ、…あ、んっ」  ほんとにきもちいい。  ひときわ長く息を吸った、そのとき。 「よいしょ」 「わ!」  世界がひっくり返った。  中を埋めていたものが急になくなって、きゅうっと切なくなる。 「あき?」 「ん」  のんきに答えたあきは、全力で俺の中を貫いた。 「ゃあんっ」  肌のぶつかる音。あまりの衝撃に、背を反らした。  容赦なく、ガンガンと奥を突かれる。 「あ、っや、ぁ、あき、はぁっ、ん……っ」  あきの腕に伸ばしたはずの手が空中をさまよって、そのまま捕まえられて、シーツに押し付けられてしまった。 「やだ、……ぁっ、んはぁ、っや、……あき」 「やだじゃないよ」 「だっ……て、ぁあっ、ん……、はあ、ぁ」  俺が動くって言ったのに。  あきは俺の耳に舌を差し込みながら、腰を振り続けた。  粘着質な音が耳の中に響いて、ゾワゾワする。 「深澄が気持ちよさそうにしてるの見てたら、興奮しちゃって」  息切れしながらも、中を突く動きは止めない。 「だめ、ぁあっ、ねつあがっちゃ……はぁ、んっ」 「最初っから熱いから変わらない」 「んぁ、……っだめ、あぁッ」 「そんなに可愛くイヤイヤしないで」  あきの手が、俺のペニスに伸びた。 「……っ、んん、ンッ……はあ」 「すごい、ぐちゅぐちゅじゃない」 「んんっ」  うっすら目を開けると、あきの顔が真っ赤だ。  絶対無理させてしまっているのに、前も後ろもされて、自分が刺激を受け止めるので精一杯。 「ぁ、あき……っ、はあ、ね、もうほんとに、あんっ」 「じゃあ、可愛くイッて?」  扱く手が速まる。 「ああっ……ッ」  体が、もう達してしまいたいと言っている。 「ん、いく……っ、」 「イける?」 「……ぅん、はぁ、あぁっ」  中の1番弱いところを突かれながら、先走りで濡れたペニスを扱かれると、熱が一気に中心に集まった。 「ぁ、イク……っ、……ッ!……っ…!……ッ」  体がビクンビクンと何度も跳ねて、それをあきが無理やり押さえつけるようにしながら、絶頂が止まるまで扱かれ続けた。 「はー、はー、はー……」  息を整えると、額に汗を浮かべたあきが、少しきつそうに見下ろしていた。 「ごめん、結局させちゃった。大丈夫?」 「全然大丈夫じゃない……」  達したばかりの体に、容赦なく熱い塊が何度も打ち付けられる。 「ぁああっ」 「可愛すぎた。ちょっと責任とってね」 「んぁあッ……っ」  あきはきつく目を閉じ、俺の口の中に舌をねじ込みながら、激しく腰を振った。 「んん、ンッ、は、んっ……ン」  凶暴なあき。  口を離したところで大きく息を吸うと、腰をつかまれて、最奥を突かれた。 「ぅああっ」  絶叫に近い喘ぎ。それでもあきは、手加減をしない。 「あー、みすみ。僕もうよく分かんない」  真っ赤な顔でうわ言のようにつぶやきながら、腰を振り続ける。 「あ、やだ、んぁっ……またでちゃ、ぁああッ」  思いがけず熱が弾けた。  驚いて目を見開くと、あきはひとこと「またイッたの? 信じらんない」とつぶやいて、そのまま達した。

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