5 / 39

第5話

「プールのあとから、ずっと気にしてただろ。気にすると却って人目を引く。でも気になるのに堂々としろって言われてもできないと思う。だから」 保健室でもらってきた、と言った。 「貼るから、シャツまくって」 「う、うん」  素直に開襟シャツを裾からまくり上げて、僕は胸をあらわにした。灯は軽く息を吸って止め、僕の乳首を見た。  乳首は勃起して、平らな胸に小さな赤い木の実をくっつけたみたいに飛び出していた。 「変な形だよね」 「えっ? う、ううん。丸くて、可愛い。変じゃない」  乳首を見つめ続ける灯の声は少し上擦っていた。 「無理しないで、本当のこと言っていいよ」  まくったシャツを顎で押さえながら、じっとり上目遣いに見ると、灯は何度も首を横に振り、手も振って見せた。 「本当に変じゃない。変じゃなくて、その。……触ってみたい」 「え、触りたいの?」  僕の見開いた目を、灯は見つめ返してはっきりと頷いた。 「うん、触ってみたい。触っていい?」  ぐっと顔を突き出され、鼻先が触れそうな距離で僕は気圧された。 「い、いいよ」  灯は唾を飲み、人差し指と中指の先でそっと僕の乳首に触れた。先端を擦られてくすぐったさが身体の中に響く。灯は鼻息がかかるほど近くまで顔を近づけ、僕の乳首を指先で撫で回した。 「くすぐったいよ、灯」  僕が困っても、灯はまっすぐに乳首を見て触り続けていた。僕の乳首はコントローラーみたいに上下左右にくにくに動いた。

ともだちにシェアしよう!