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第11話
朝か…
腰元ダル〜
さて準備して行くか…
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ガラガラ
「ヨッ!ハヤト!メリークリスマス!!」
枕元に手を置きかさついた唇にキスをする
口を話し頬を撫でれば温かく伸びた髭がジャリジャリしてハヤトが生きている事を感じる
毎日洗髪出来ない為少ししとっとした髪
でも濡れたような艶やかにみえる黒髪の前髪に指を入れ横に流す
直ぐ起きそうなぐらい穏やかに眠るハヤト
去年の年末ゲレンデでのインストラクターの仕事の為籠ってた山から帰ってくる途中にスリップした車に突っ込まれ病院に運ばれてから目を覚さない…
自発呼吸も出来るし調べても原因が分からないが起きない。
事故当時の怪我も癒え今では何故起きない?と不思議に思うばかり。
毎週来てハヤトにこの1週間何があったかを報告するのが日課になった。
前より痩せてしまった手をずっと握りながら…
たまに時間が合えば一緒にお風呂に入る。
看護婦さんに入れ方を習い。始めは男同士でと嫌な顔をする人も居たが他の誰かに身体を見せたくない!という嫉妬だ。
妬く所じゃないと分かってても…
髪を洗って湯船に入れればハヤトの顔が緩んで喜んでるように感じるんだ。
お風呂に入らない時は濡らしたタオルで拭いてあげるのも好きだ。だって見たい放題触りたい放題だろ!?
起きてたら絶対させてもらえないしね。
今日は温かいお湯で濡らしたタオルで拭いていく
前開きの病院服を開け顔から首、鎖骨、胸、お腹と拭き横向きにして背中、脇、脇腹、腕、反対もしたら戻して服を直し次は下半身。
下半身は浴衣の下だけのように腰に巻き付けるタイプ。まぁ下半身はどやって服かは内緒。
たまに…たまに扱いて抜いてあげてるのは内緒…
まぁ、いちを先生からはオッケーもらってます。
全て整え布団をかぶせ綺麗になったハヤトを見る。
もちろん電動髭剃りで剃ってあげた。
ツルツルになった顔にいっぱいキスをする。
触れてない所が無いってぐらい
ハヤト早く目を覚まして
ハヤト起きてくれよ
ハヤトキスして
ハヤト好きって言って
ハヤト
ハヤト
…
「…ツ?」
「ハヤト!!!!???」
カチカチカチ
枕元のナースコールを連打してる間もハヤトの名前を呼び繋いだ手に力を入れると微かに握り返してくれるハヤト…
「ハヤト…おはよう…ハヤト…」
薄く開いた目は焦点が合ってないのかボーッとしているが俺を見ているような気がする…
「ハヤト…ハヤト…」
ハヤトの口に落ちた涙をハヤトが唇を動かし舐めた気がした
俺は先生と看護婦さん達が来て引き剥がされるまで泣き続け名前を呼び続けていたと思う。
ペタリとベットから離れた所に座り込みながら外を見れば太陽に照らされ雪がキラキラと舞っていた
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