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第2話

「さきちゃーん。遅いよー。」 メンバーは、チャラそうな男たち、その中でもとても目立っているのが、長身の黒髪で、どっかのモデルにいそうな容姿をしている男子がいた。 あれが、さきちゃんが行っていた同じ学年のモテ男だろう。 俺は、萎えてしまったが、その萎えは一瞬でふっとんだ。なんせ、女子メンに神崎 明美がいたからだ。  うちのクラスで一番の美女じゃねーか。これは、お近づきになれるチャンス。 俺たちは駅近のカラオケ店にはいった。 「はーい、じゃあ、自己紹介から行こうか」 俺は、さらっと、男の自己紹介を聞き流す。さきちゃんは相変わらず、あのモテ男の方しか見てない。 ち、俺は用なしかよ。 「じゃあ、最後」 俺の番がきた。 「初めまして、ぼく」 「あい!」 さきちゃんに肘でつつかれた あー、俺、女の子で来てるんだった。俺は、咳払いをして、もう一度やり直した。 「初めまして!私、日谷 愛っていいます!みんなからは、あいって呼ばれています!よろしく~!」 「よ、あいちゃん!」 男たちが盛り上げる。 うるさいところは、居心地が悪い。そのあとは、各好きな歌を歌った。さきちゃんは、あのモテ男にやたらとデュオ曲を進めていたが、何度も断れていた。 おれは、ちょくちょく曲を歌った。場の盛り上がりに疲れた俺は、ドリンクを取ってくると言って、部屋をでた。 「はぁーーーーー」 美女がいるのに、、、。全く楽しくない。 こういうテンション高い人達と一緒なのは、少々つかれる。 女の子だったら、一緒にクレープ屋いって、ファッションの話をすれば、盛り上がれる。 ああいうのは、昔から苦手だ。 「あ、」 「あ?」 声がした方を向くと、あのモテ男がいた。 ち、男かよ。ラブコメなら、ヒロインが出てきて、心配そうに声をかけてくる場面だろ。 俺は、内心イライラしながら、さっさとこの場から立ちさろうと、ドリンクボタンを力強く押し込んだ。 「お前、ブサイクだね」 おん? そういうと、モテ男は、スタスタと部屋に戻ってしまった。 はあああああああああああああ! ふざけんな!あの、クソ野郎!そんな事言うためにここに来たのかよ! 俺は、そんじょそこらの女より、可愛いんだぞ? 俺は、なぞの悔しさと怒りで脳が埋め尽くされ、気が付けば、俺は、一人で駅にいた。 あー、、、。そうだ。あの後、すぐカラオケを出たんだった。 俺は、深いため息をつく。脳裏にあのクソ野郎の言葉が浮かんだ。 こんな思いをするから、ああいう輩は嫌いなんだ。

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