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第3話
「ただいまー」
「おかえり。愛」
家に帰ると、珍しくおじさんが帰ってきていた。
「相変わらず、可愛いカッコしてんね」
と、お玉片手にニコッと笑う。
「うっせーよ。さき、風呂入る」
俺は、洗面台に向かうと、メイクをおとし始めた。
カラコンをとって、かつらをとり、メイクを丁寧に落とすと見えてくるのは俺の嫌いな顔。
鏡に映るのは、奥二重に小さい黒目のブサイク。
‘‘お前、ブサイクだな‘‘
「クソ!」
俺は、鏡に向かって、タオルを投げつけた。
そんなの、昔から知ってる。
地味で、根暗で、ほんとは、オタクで、そんな自分を壊したくてたまらくても、家に帰ると、この顔だし、オタクグッズは増えていくばかり、、、。
ほんとはこっちの自分も好きだと分かっているけど、どこか、おびえて隠してしまう。
服を脱ぐと、見えてくる、醜いやけどの跡。
いやだ、、、、。
俺は、鏡から目をそらし、風呂にはいった。
風呂から上がると、俺は、夕飯を食べた。おじさん料理はいつ食べても店に出せるくらい旨い。
口では、そんなこと言えないが、、、。
「最近、学校はどうだ?」
「どうって、、、、。別に、普通」
「しばらく、俺、出張だからな。愛のこと、心配だよ」
「もう子供じゃないから」
俺は、うんざりして早く飯を食べ終えて、自室に向かった。
疲れて力が抜けた体を、ベットに放り投げる。そのまま俺は、眠りについてしまった。
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「ほら、愛。行くわよ!」
母さんがいる。ああ、いい夢でも見ているのだな。
父さんが俺の背中をポンポンと叩いて、
「愛、行くぞ」
といった。いつだったっけ、俺が、初めて遊園地に行ったときか、、。
あの頃は、幸せだったな。母さんは、うるさいくらい元気で、父さんは優しかった。俺は、母から差し出された手を取ろうとする。
すると、何か熱いものが、背中にのしかかった。母と父が、赤い炎に飲み込まれて、ボロボロと人形のように崩れていく。俺の視界も暗くなっていく。
行かないで!、、行かないで!嫌だよ、父さん、母さん!
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「、、、、い。、、、、あ、、い、、、、、。愛!」
「はっ!」
目の前で、おじさんが必死に俺の名前を呼んでいた。
ゆ、夢か。ベットは俺の汗でべっとりとしていた。
「愛、うなされてたけど、、。大丈夫か?」
「だ、大丈夫だし。おじさん明日も早いでしょ?早く寝なよ」
俺は、焦りをかくして、ベットにもぐりこんだ。
もう少しで、泣いてしまうところだった。暗いベットの中、俺の頬に冷たい何かがつたった。
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