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第5話 利人視点

昼。 俺は、次の授業をサボって、いつもの寝床に来たんだが、、、、、。 「誰?こいつ」 隅っこで、スヤスヤと寝ているジャージ姿の男。 サラサラの茶髪に、綺麗な白い肌、女子みたいに小さい体。 隅っこで丸まって、猫みたいに寝ている。 何か、、、、かわいい。 俺は、そろっと頭を撫でる。気持ち良さそうに寝て、起きる気配が全くない。 「お、、、、かぁ、、、、さ」 っと、思ったら、眉間にしわをよせて急にうめき始めた。  何かを求める用に、細い腕を上に上げている。 ちょー、苦しそう。 彼の額から汗が出ている。俺は、その手をそっと握った。昔、母によくやって貰ったように、背中を優しくさする。  しばらくすると、落ち着いて穏やかな眠りに入った。 本当に、この子は誰なんだか、、、、。 ピコンっ! スマホに通知がきて、画面を見るとまたあの「さき」という女からメッセージがきていた。 この女、懲りねぇな。授業中だろ。 まぁ、俺も今サボってるんだが。 俺は手を繋いだままスマホをいじった。  そう言えば、この「さき」って子ともう一人女の子が前いたっけか。 あの子、全然楽しくなさそうなのに、無理にぶりっこしててすっごい嫌だったんだよな。 あの後、裏の顔が見えた瞬間、つい、 「お前、ブサイクだな」 と、言ってしまった。 彼女はフルフルと震えたままだった。まぁ、本当のこといっただけだし、、、、。あの怒りを抑えた顔は傑作だったな。 あ!そうだ。 俺は、スマホをカメラモードにして、俺の手を握って眠っている彼の顔を一枚撮った。 お気に入りっと。 そうしていると、チャイムの音が鳴った。俺は握る手をそっと離す。 今日はやけに時間が過ぎるのが早い。 「また会おうね。俺の猫ちゃん」 と言い、彼の綺麗な額に軽く口付けをする。 どうやら、俺はこの子の事を気に入ってしまったらしい。

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