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第4話
「颯が保健室で見たのって、多分会長か新堂か櫻木だと思う」
ネットで映画を観てたら、悠が漫画から目を離さずに言ってきた
「お前ね、忘れてた事を掘り起こすなよ。てか誰だよ」
もう既にベッドと制服しか思い出せんよ
「会長は生徒会長じゃん。新堂は家がヤクザって噂で、櫻木は軽音部の部長」
「へー」と、映画から目を離さずに答えた
「興味無いんだね」
「うん」
どいつも面倒くさそうな肩書きをお持ちですね
「それよりも、お前いつ部屋に帰るんだよ。消灯もう直ぐだぞ」
気付けば消灯点呼の10時ちょい前だった
「あ、ホントだ。ヤバい」
悠は壁に架かってる時計を見て慌てていた
「じゃあ帰るね。この本持ってくから」
「おう。じゃあまた明日な」
まな明日ー。と言って部屋を出ていく
玄関から扉が閉まる音がし、静かになった
悠のせいで昼の事思い出しちまったじゃないかよ。保健室でやるのは別にいいけどよ、カーテン閉めろよ。デリカシーねえなー
今観てるファンタジー映画に飽きて、冷めたコーヒーを一気に飲み、コップを洗ってシャワーを浴びた
パンイチで歩こうが文句言うやつが居ないから、一人部屋は気楽で良い
昨日は完徹だったからそろそろ寝るか。
風呂上がりのコーヒーを一気に飲んで、パンイチのまま布団に潜った。
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