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第6話
風がいい感じに気持ち良い
屋上の奥に行けば、誰かが入って来てもそう簡単には見つからない
そこは丁度日陰になってて、夏の陽射し避けにはもってこいだ
この間、柵の方から移動させておいたベンチに寝転びワイヤレスイヤホンを付ける
寝たい気分なので、音量は最低にし目を瞑れば頰に風が優しく撫でる
「お前、昨日の」
いざ、寝よう。と、意気込んで目を瞑れば遠くから声が聞こえたので左肘を支えに上体を起こした
寝る寸前だった為、寝惚けてて目が霞んでたので眉間に力を入れて目を凝らして相手を見る
______誰
知り合いの中から顔を探すが全く分からない
無視して寝てしまおうか。と考え、再び目を閉じた
「おい、無視するな。起きろ」
今度はズカズカとこっちに来た事により、薄い金髪が日光でキラキラと光っているのが分かった
金髪、昨日?……………ハハハ。そんなまさかね
内心顔が引き攣るも、奴の一言で一気に目が醒める事となった
「お前、昨日俺が保健室でヤってたの邪魔した奴だろ」
そのまさかでしたか。ハッハッハ
「邪魔とは人聞きの悪い事を言わないでください。あんなトコでカーテンも閉めずにやってる方が悪いでしょう」
ネクタイを見ると、青のラインが入っていたので、2年の先輩だと分かり咄嗟に敬語を使った
「いきなり乗っかってこられたから、鍵閉めてると思ったんだよ」
ムスッとした顔をするが、俺とそう変わらない大の男がやっても可愛さの欠けらも無い
____そりゃ災難でしたね
「で、何で先輩がこんな所に?授業は?」
さっきからずっと肘で体重支えてたからちょいと痛くなってきたので、寝てる体勢から座る体勢になった
「どう考えてもサボりだろ。いつもの所にベンチがねえから探したら、お前がいたんだよ。つか、お前もサボりかよ。」
「ジャージ忘れたんですー。同じ授業出ないなら一人の方が落ち着くじゃん?」
「そりゃそうか」と言って、俺の隣にさりげなく座った
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