「ひゃっ」 いきなり足を広げられて、里都は思わず変な声を上げてしまった。 永瀬の顔はタラップに腰掛けた里都のちょうど股間の位置にある。 つまり里都がどんな状態になっているのが一目瞭然なのだ。 ぴったりとした水着の素材は勃起した里都の陰茎の形を如実に表していて、すぐにでも脚を閉じて隠してしまいたい気持ちになる。 しかし、一方でもっと見て欲しいと思っている自分もいた。 あなたに触れられてこうなったのだ。 見せつけて、晒して、彼をもっと煽って惹きつけたい。 発情期中の雌が狙った雄を誘うのと一緒だ。 里都の顔を見上げると、永瀬はフッと男臭い笑みを浮かべた。 まるで、こちらの心の内がわかっているかのような表情だ。 ぴったりと身体に張り付いた水着のウエスト部分に、永瀬の指先が掛かる。 これから永瀬に何をされるのかわかった里都は、高まる期待と興奮に息をのんだ。 ズルリと引きずりおろされた水着の中から里都の性器が勢いよく飛び出した。 窮屈な場所から解放された陰茎は天を向き、先端から粘ついた愛液を滴らせて歓びを訴えている。 プールという場所。 永瀬の目と鼻の先で、ガチガチに勃起した性器を晒している自分はなんてあさましく卑猥なんだろうか。 けれど永瀬の眼差しが、自分の恥ずかしい場所に釘付けになっている様から目が離せない。 里都は浅い呼吸を繰り返しながら、自分の股間とそこを見つめる永瀬を凝視した。 永瀬はまるで小さな子猫にでも触れるかのように、里都の陰茎を優しく握り込んできた。 手のひらに包み込まれた里都の陰茎はビクンと震えると、先端に蜜の玉を浮かべる。 その小さな玉を掬い取ったのは永瀬の舌先だった。 「んっ…あぁっ…っ」 舌は先端をチロチロと往復したかと思えば、蜜口をくじくように内側に潜り込んでくる。 里都が情けない声を上げると、今度は括れの辺りから根元にかけてまでねっとりと絡みついてきた。 フェラチオは初めてではない。 これまで付き合ってきた男にも、夫にも何度もされた行為だ。 しかし、今までのとは比べものにならない快感が襲ってくる。 これも相手が永瀬だからだろうか。 永瀬にされているというだけでこんなにも感じてしまうのだろうか。 唾液と愛液の混じった卑猥な音が、辺りに響く。 包み込まれた手で擦られる手淫と巧みな舌淫とで、里都の下腹部は次第に波打ちはじめた。 限界が近い。 出したい。 「は…っ…はっ、ぁ、コーチ…っも、もう…っ」 里都が訴えると、それまで絡みついていた舌が離れた。 ホッとしたような名残り惜しいような気持ちでいると、今度は性器全体が生温かいものに包み込まれた。 見ると、永瀬の口に里都の陰茎がすっぽりと咥えこまれている。 水の中で一際際立つ感触。 里都の口からも大きな嬌声が上がった。 「や…ああっ…っっ」 永瀬は里都の性器を口に含みながら、水着の股座の部分を強引に片側へと引っ張ってきた。 脚を大きく開いているため、そこは簡単にも暴かれてしまう。 恥じらう隙もなく永瀬の唇が陰部から肛門の間を降下してきて、里都はイヤイヤと首を振った。 「だ、だめっ…そんなところ…な、舐めないでっ…お願い…やっ、やだやだぁ」 必死に訴える。 しかし、逃げる腰をガッチリと押さえ込まれると尖らせた舌先が、孔の周りの襞を舐め上げた。 背筋を何かが駆け上がっていく。 全身の毛が逆立ち、里都は掴んでいた梯子にしがみついた。 「ひっ…んんっ…」 永瀬は唾液をたっぷりと流し込みながら里都の内側を探ってくる。 まさかそんな場所を舐められるなんて思ってなかった里都は、いつも以上に丁寧に洗浄してきて良かったと心の底から思った。 しかし孔を穿ってきたのは舌だけではなかった。 陰茎を擦る手と逆の手が、里都の片側の尻肉を拡げると、一番太い親指が孔につぷり、と差し込まれる。 唾液で濡らされたソコは難なく飲み込んだが、指はクチュクチュと入り口近くを弄ると直ぐに引き抜かれてしまった。 「やっぱりこの体勢じゃあんまりよく見えないな」 永瀬が残念そうに呟く。 何か里都の肉体に不満があったのだろうか。 不安になって見下ろすと、永瀬がにこりと微笑んで言った。 「ここ、見てみたいなと思って。キュウキュウ吸い付いてくる望月さんのここ。次は見せてくださいね、明るいところで」 「つ、次…？」 「そう、次。足広げさせてお尻の肉も広げさせて、望月さんの恥ずかしくてエッチなこの孔がどんな風に男を飲みこむのかじっくり見てみたいんです」 人の頭の中は複雑にできているというがあれはきっと間違いだ。 里都の脳は永瀬にそうされてる状況を容易く想像し、いつの間にか勝手に快楽を得ていた。 緩く擦られていた陰茎はヒクヒクと震え、腹には少量だが精液が飛んでいる。 「あれ？少しイっちゃいました？想像しただけで？可愛いですね」 永瀬はクスクスと笑うと、悪戯っぽい眼差しで里都を見上げてきた。 「イったばっかりのここ、搔き回したら望月さんどうなっちゃうのかな」 軽く痙攣する里都の後孔に、永瀬の指先があてがわれる。 その時だった。 「永瀬コーチ？いますか？」 プールに軽快な声が響く。 背後に人の気配を感じて、里都はびくりとした。