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レンタル三日目
0:23 俺のことほんとに好き?
1:02 不在着信
1:03 ねえなんで電話でてくれないの
1:54 ごめんうざいよね
「あああっ!こんなん送るとかメンヘラかよ!」
実際『※メンヘラです』と額あたりに書いてありそうである。深夜に愛しの彼に送ってしまったトーク画面を見ては反省しかない。後悔により押しつぶされそうだ。
いや、寝てるわ…寝てるだろ…こんな時間によ…
なんでこんなん送っちゃったんだよ…!この指か!この指が悪いのか…!
こんな具合でベッドの上にて一人反省会中である。
あの時から三か月とちょっと。俺は今死なずに生きている。おかしな雪も相変わらず見えるし、前となんら変わらず12月を迎えた。例年よりも冷え込んで、家にいても寒い。
そんな日は必ず人肌恋しくなるものだ。
お願いします既読つかないでください…ハッなんならメッセージを消すか…?いやでもあれ履歴残るんだよな…こうやって着々と時間は過ぎていき、時計の針はもう既に3時を回っていた。
そうして悩んでいるうちにトーク画面を開くとそこには『既読』とついていた。
ひえっ
嘘やん…このメンがヘラしているメッセージを読まれてしまった…これはダメだ、「めんどくさい男とかやば笑」って言われるやるだ…
過去の男を思い出して、枕で頭を隠した。そもそも、頭を隠したところで尻もヘラも隠せていない。見悶えているうちに、トーク画面が更新されていた。
『今から行くから待ってて』
「今から行くから待ってて!?!?」
大発狂である。この時初めて一人暮らしで良かったと思った。
もう無理だ…これは玄関口で「二度と電話かけてくんじゃねえ!」と殴られるやつではないだろうか。普段温厚で少しちゃらい印象を受けるせつさんは、あの日以来俺に怒ったことはない。
しかし、嫌われてしまうのではないかという不安が拭えないのだ。その不安を彼にぶつけたら最後「めんどくさい奴」=「距離を置く」ということになりかねない。
落ち込んでいる場合ではないのだ。万が一、万が一の為に部屋を片付けなければならない。
…腸内洗浄は…そんな時間はないだろうし、そもそもせつさんと俺はそういう関係ではない。
それなのに、あんなメッセージ送ってしまうなんて何を考えているんだ…そして、また思考が負のループへと嵌っていった。
こたつの上に雪が積もる。この現象はいつまで経っても治らない。俺にだけ見える雪。感情が高ぶったときに見える雪。自身の青色の髪に積もる白は、かき氷みたいだ。
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