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ずっと君だけを(3)

◇ 「くっそ、あと7点! 7点だったのに……!」 「惜しかったな、あと7点」 「ばかにするな……!」 今回は今まで以上に頑張ったんだ。手応えも感じていた。 テストの点数が彼より良かったという事実があったところで、彼に追いつけるわけではないけれど、それでもテストは結果が点数で出されるし、彼にどれくらい近づけたのかを知る基準になる。 だからいつも全力で取り組んでいるんだ。それなのにやっぱり、涼しい顔で彼が俺より前を歩いている。 しかも今回点数があまり変わらなかったのも、彼が、一つの教科でマーク欄をミスしていたかららしい。それも正解していたら、点差はもっと開いていたに違いない。 「まぁまぁ、そんなに気にしなくても良いじゃん。お前が頑張ってんの、ちゃんと分かってるからさ。よしよし、頑張ったね」 「むかつく、ばか、死ね! 死んでしまえ! 土に還れ! 今すぐ土に還れ!」 俺の頭を撫でてくる彼の手を払いのけ、そうやってぎゃんぎゃん騒いでいると、その声がうるさかったんだろう、俺を“デレない奥さん”と名付けた友だちが会話に割り込んできた。 「最近ますます言い合いが激しくなってんな。まぁ、奥さんが一方的にレベルが上がっただけかもしれないけど。……奥さんさぁ、旦那様のこと好きなんじゃねぇの?」 土に還れだなんて好きな人に言える言葉じゃないだろ、と俺の顔を覗き込んできた。 そこを突かれたら困ると目線を逸らせば、ソイツは俺の頬を両手で包み込み、そっと髪にキスをした。

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