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ずっと君だけを(4)

「好きじゃないならさ、浩ちゃんの奥さんじゃなくて、俺の奥さんになっちゃう? 俺、永遠なら男でもいいよ」 「……。」 言葉は本気っぽく聞こえるけれど、表情はどう見てもふざけている。だって今にも、吹き出してしまいそうだもの。 だから“ばーか”って一発殴ってやろうと手を上げた時、その手を浩ちゃんが掴んだ。そしてそのまま引き寄せられ、腕の中に閉じこめられた。驚いて彼を見上げれば、ものすごく不機嫌そうな顔をしている。 あぁそうか、浩ちゃんにはアイツのふざけた顔は見えてなかったから。 だから冗談だと分かっていなくて、本気にして怒ってるんだ。 だけど、浩ちゃん……。そんな顔をしちゃダメだよ。 怒ってくれるのは嬉しいけれど、あくまでも俺たちは“旦那様とデレない奥さん”って設定なだけであって、同じクラスの誰も俺たちの関係は知らない。 それなのにそうやって怒ってしまったら、みんなが変に思っちゃうよ。 「コイツ、俺の奥さんだから、お前にはやれない」 「浩ちゃんっ、」 浩ちゃんに抱きしめられているせいで、振り返って後ろを見ることができないから、周りの様子は分からない。でもきっとみんな、俺たちを見てると思う。 「浩ちゃ……だめ、」 彼の腕から逃れようと、必死にもがくけれど、力では絶対に勝てないから。さらに強く抱きしめられ、もうどうすることもできない。

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