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ずっと君だけを(7)
ずっとずっと好きだった。
ずっとずっと憧れていた。
浩ちゃんに追いつくことも追い抜くこともできないけれど、そんな俺でも好きな気持ちは浩ちゃんに負けないとそう言えるくらいに、大きな大きな大好きの気持ちを長い間大切にしてきたんだ。
……でもね、浩ちゃんは違うでしょう?
好きの気持ちの大きさはもちろん、いつもいつも必死になるのは俺の方なんだから。
いつかきっと、嫌になるときが来るに決まってる。だけど、もしも俺とのこの関係をやめたくなった時、あんなに多くの人に知られてしまったら、大変なことになるでしょう?
普段から夫婦って言われていたのだから、くっついたりしたって怪しまれることなんかないんだ。わざわざ言わなくたって良かったの。あんなふうに祝福してくれるみんなの前で、言わなくたって良かったんだよ。
……ねぇ、浩ちゃん。自分で、逃げ道を捨ててどうするつもりなの?
「永遠、」
「ば、か……。こう、ちゃんの、ばか……っ」
「と、わ……」
「自分で、逃げ道、捨て、て……、どう、すんのっ。みんな、の、前で、あんなこと、言って……、」
「……っ、」
「俺から、離れ、たく……なったと、き、どう、すんの……っ」
「と、わっ」
きっと、今日のみんなの反応が頭に浮かんで、浩ちゃんはますます俺の手を離せなくなる。優しい人だから、俺のことが嫌になってもそう簡単には別れるって言わないだろう。それなのに、こうして祝福されてしまったら、浩ちゃんは俺の気持ちと、クラスのみんなの気持ちにも悩まされるんだ。
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