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今度は俺の番(7)

◇ 「涼! この後、予定ないよな?」 「え?」 「ぼっち同士集まって、飲みに行こうって話してるんだけど。お前、一緒に行かねぇ?」 今日は12月25日。イブの昨日から世間はクリスマスモードで、街はイルミネーションでキラキラと輝いている。腕を組んで楽しそうに笑い合うカップルで溢れる中、俺はいつも通りこの店にバイトに来て、時間になったら何事もなく帰るものだと思っていたのに。 珍しく、バイト先の先輩に飲みに誘われた。人との関わりが面倒でなるべく避けてきた俺だけど、この店で働く同じバイトの先輩たちは皆いい人たちだし、誘われて悪い気はしなかった。 まぁ、勝手にどうせ一人だと決めつけられているところは、思わず目を細めてしまった程度には気にくわないけれど。 「どうする?」 「あー……、行きます」 「ふはっ、何だよ、あー……って。予定ないんだからもっと気持ちいい返事しろ、ばか」 「俺に予定がないって決めつける先輩の方がばかですよ」 「おー? 言うようになったなぁ。ま、いいから裏の入り口んとこで待っとけ。な?」 「はい、」 俺は先輩にぺこりと頭を下げ、言われた通り先に入り口の方へと向かった。 寒くないようにとポケットに手を突っ込み、はぁ~と白い息を吐く。この場所は明かりもないし今日はいつもに増して暗いから、白い息がはっきりと見えた。大したことでもないのに、どうしてか今日はそれが面白くて何度も息を吐く。

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