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静電気(2)

永倉に対する好きが友達の好きならこんなにも気にしないのだろうけど、僕のはそれじゃない。ライクじゃなくてラブのほう。だから傷つくんだ。だって、そんなに用事を優先するなんてさ、僕のことどうでもいいって言われてるみたいでしょ。 「ちぇー、」 もう、永倉くんたら。僕のこと、もっと構ってよね。寂しくて死んじゃいそう。 僕は靴の入っていない永倉の靴箱を開けると、小声で何度も「ばーかばーか」と叫んだ。 ♢ 静電気は案外、変に構えていない時には起こらなかったりする。永倉も同じだった。特に何も考えずに窓の外を見ている時に、今日からまた一緒に帰れるよと言われた。 今まで僕のことを散々放っておいたくせに今更何を……だなんて言って拗ねて見せようかと思ったけれど、永倉があまりにも嬉しそうに言うから、素直に良かったと返事をした。 だけど分からないよ。もしかしたらまた明日、静電気がやって来るかもしれない。 そんなことを思いながらじーっと見つめてみると、永倉がどうしたのかと不思議そうな顔をした。 次の静電気はいつ……? 最近はずっと静電気続きで何度も我慢したのだから、ご褒美に今日はずっと一緒にいたいなって、永倉に我が儘を言おうとして服を掴んだけれど、やめた。迷惑になるのは嫌だもの。 結局何も言えずに目を逸らすと、永倉は僕の頭をぽんぽんと撫でてくれた。 帰ろうか、と永倉が優しく笑う。そんな永倉の顔を見てたら、やっぱり今日はずっと一緒にいたいってまた思った。

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