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静電気(4)

子どもみたいに泣きじゃくる僕に対して、戸惑いおろおろする永倉。君はある意味で僕の静電気だったんだと伝えると、よく分からないけどごめんと謝られた。 でももういいの。あんなに胸が痛くなっていた静電気はきっともう来ないから。 しばらくして僕が泣き止むと、永倉は優しく笑って、俺ん家に行こうと言った。今までの分を少しずつ埋めていこうって。 僕は嬉しかったから、一緒にいたいって、さっきは言えずに飲み込んだその言葉を口にした。永倉の頬がリンゴ色に染まる。 「可愛いこと言うなよ」 「可愛いのは永倉のほっぺ」 「怒るよ」 「嫌だ」 「怒んないよ」 「うん、永倉好き」 「もうマジ勘弁」 ほら行くよ、と永倉が僕の手を掴む。その時、バチッと小さな静電気が走った。 「ごめん。静電気痛かった?」 「……ううん、大丈夫」 静電気は痛いから嫌い。大嫌い。でも、永倉とくっついて起こる静電気は、痛いけれど、なんだか心地良かった。 「静電気、好きな時もあるかも」 「え?」 「今できた」 ぽかんとした顔の永倉に、へへっと笑い、それから繋いだ手を強く握りしめた。 END

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