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こんな展開、望んでなかった!(7)
「なぁ、また告白断って来たの?」
俺は、飴を舐める周を見ていただけでうるさく動き出した心臓から気を逸らしたくて、いきなりそう尋ねた。
さっきの先輩からの告白の後も、いつも通り戻ってきたし、今回もきっと断ったんだろう。
「何、断っちゃ悪いの?」
コロンと舌で飴を転がすと周は、急に低い声を出した。それに驚き、心臓がさっきとは違った意味で騒ぎ出す。何か変なこと言ったっけ?
「……いやぁ、悪いとかじゃなくて。誰か一人くらいいないのかなぁと思ってさ。それにお前が断るから、どんどん犠牲者が増えていくだろ」
ゴニョゴニョと呟くと、はぁ……とため息をつかれた。そんな周から視線を逸らすと、その先で女子と目が合った。何を話してるんだろうと、そんな目でこちらを見ている。さっき俺の髪を引っ張った奴もその隣にいて、俺のことを睨んでいる。
ため息をつきたいのはこっちだよ、とそう言葉では言い返せないから、俺もため息をついた。とびきり大きいのを一つ。
コロンとまた、周が飴を転がす。
聞こうと思って聞いたわけじゃあなくて、咄嗟にこぼれた質問ではあるけれど、一人くらいいないのかってことについては、素直に気になる。
だってあれだけたくさんの女子に好きだと言われていたら、その中に一人くらい好みの子がいてもおかしくはないだろ?
「犠牲者ってなぁ。 告白してきた女、だれも好きじゃないんだから仕方ないだろ」
「……っ、」
はぁ? 贅沢すぎるだろ……! 周に告白した女子の中で、俺だったら全力でお付き合いお願いしますって言いたくなるような子が何人もいた。
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